JA横浜 絵画・書道コンクール作品集
3/36

絵画コンクール審査講評 1■全体を通じて この度は、20回という節目となる『絵画コンクール』に、審しんさいん査員として携たずさわらせていただきましたこと、心より感かんしゃ謝申し上げます。 「どの絵ものびのびと描えがかれており、描えがこうとしているものへの愛あいじょう情が表れていてよかった。」 「児童たちの絵を見ていると、だんだん元気になり、楽しくて命がよみがえるような感じがした。」これらは審しんさいん査員から聞かれた言葉です。 この言葉が表す通り、子どもたちの絵はとても素すなお直で混まじりっ気がなく、審しんさ査している我われわれ々の心に直ちょくせつ接訴うったえかけてくる、そんな不思議な力を感じました。 描えがかれた絵画からは、児童の皆みなさんが生活の中で感じたことや想そうぞう像したことなどから膨ふくらませたイメージが伝わってきました。出会った感動を、自分のイメージを大切にしながら形や色などを工夫して一いっしょうけんめい生懸命表そうとする姿すがたを想そうぞう像することができ、とても嬉うれしく思いました。 児童の皆みなさんには、今回のように絵を描えがくことをはじめとして、自分が思ったことや感じたことを様々な方法で表ひょうげん現していくことに、引き続き挑ちょうせん戦していってもらいたいと思っています。■ 横浜市長賞作品について 3年生 梅うめばやし林煌あきと人さんの「スイカ畑のおともだち」は、まるで見ている私わたしたちもそこにいるような感覚にさせてくれます。手前のスイカは大きく堂どうどう々と描えがかれ、スイカ畑のおともだちは皆みな嬉うれしそうにこちらを見ており、何やら楽しそうな世界に引き込こまれます。作品をよく見てみると、スイカの葉っぱが緑色から黄色に色が変わっていることに気が付きます。この作品は、人間であるおともだちだけでなく、植物であるスイカ、奥おくにある山や空にまで、作者が自然に感じとった生命感が描えがかれおり、見ていてとても生き生きとした気持ちになれる作品です。■ JA横浜賞作品について 1年生 八やつぎ次陽はるさんの「おいもほり がんばったよ」は、「そうか、よくがんばったね」と返答したくなるような作品です。おいもを見つめ、歯を食いしばって力いっぱい引き抜ぬこうとする意いきご気込みが、重力に逆さからう三つ編あみから感じられます。また、作者が収しゅうかく穫したおいもは、作者のがんばった気持ち、そしてその時の感動がそのまま大きさとなって表れているのではないでしょうか。おいもだけでなく、こすることで表ひょうげん現された顔や体の汚よごれからも、おいもほりに夢むちゅう中になって、土にまみれて必死にがんばった様子が素すなお直に表されています。 4年生 吉よしざわ澤凛りんさんの「どんな気持ちでいるのかな」は、カニの表ひょうじょう情や全体の様子から感じ取った、作者のカニに対する疑ぎもん問を追求する姿しせい勢が感じられる作品です。一目で目に飛び込こんでくるその迫はくりょく力が印いんしょうてき象的ですが、よく見ると様々な描びょう画材が使用されており、この絵に対する作者の愛あいじょう情がたっぷりと感じられます。細かいところまで一いっしょうけんめい生懸命描えがき込こむことで、このカニの気持ちを感じ取ろう、写し取ろうとする作者の探たんきゅうしん求心がそのまま表れています。疑ぎもん問に対する答えは、果たして見つかったでしょうか。■ 金賞作品について 1年生 髙たかはし橋雫しずくさんの「のげやまどうぶつえんのきりん」は、多くの作品の中に並ならべても、目に飛びこんでくる大迫はくりょく力の作品です。キリンの首の長さ、そして、体の模もよう様について、作者が感じたままに思込い切り描えがかれており、とてものびのびとした作品です。背はいけい景の青色とキリンの黄色の組み合わせが、さらに絵を引き立てています。 2年生 三みやけ宅直なおたろう太朗さんの「おばあちゃんからもらったやさい」は、おばあちゃんから野菜をもらった時の幸せな気持ちが、背はいけい景の虹にじとともに画面全体から伝わってくる作品です。その時の弾はずむような気長谷川 聡絵画コンクール 審査講評

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る