JA横浜営農情報_2026年3月
13/16

4. 対策実施結果5. まとめ13 近年、野菜や果樹等の農作物におけるクリハラリスの食害が増加しています。 生息域が拡大傾向にあり、市内全域でも注意が必要な野生動物となっています。 営農インストラクター・営農技術顧問・かながわ鳥獣被害対策支援センター (県 )・担い 手の皆様と協力して対策を行いましたので、クリハラリスの食害の状況の一例と、対策方法について紹介します。  クリハラリスとは一般的にタイワンリスとも呼ばれており、特定外来生物です。 腹部が赤褐色で「栗色の腹」が名前の由来で、フサフサした長い尾が特徴です。 農業では、果樹や野菜の食害、樹皮を剝いで木を枯らせてしまう被害があります。 ※特定外来生物…外来種であり、農林水産業等への被害を及ぼす生物(外来生物法に基づき指定されている。 ) 梨や柿などの果樹作物への被害があり、近年被害が増加しています。 一例ですが、市内の果樹園で梨が260個(1シーズン)の被害があったと報告されています。 その他、トマト等の野菜にも、被害報告がありました。  クリハラリスは樹木や、果樹棚、植栽の上を移動するため、電気柵での対策が困難です。 したがって、捕獲檻を使用することが有効な対策方法となります。 (※クリハラリスを捕獲する際には、横浜市への捕獲許可申請が必須となります。 )捕獲檻は、クリハラリスの通り道等の樹木の枝や、倒木の上に固定し、設置します。  捕獲を効率的に行うためのポイントは、最初から捕獲を行うのではなく、【餌付け期間】と【捕獲期間】の2つの期間を設け、一定期間でローテーションを行うという方法です。  餌付け期間は、捕獲檻の扉が閉まらないように開閉機構を、針金等で固定します。 檻の中には餌となる【殻付き落花生】を5個~10個、設置します。 捕獲檻が【安心して餌が食べられる場所】とクリハラリスに認識させて、警戒を解くことが目的となります。 営農インストラクター  足立 悟 見回りを定期的に行い、【餌が無くなっていれば、補充】を繰り返します。 餌が無ければ、クリハラリスが檻の中に入り、食べている証拠となります。 一週間程餌付けを行ったら、捕獲に入ります。  捕獲期間は、必ず毎朝見回りを行い、捕獲できたら、横浜市へ連絡し、引き渡すという流れになります。 一定期間捕獲を続けると、捕獲の頻度が下がってきます。 その場合は、再度餌付け期間に移ります。 そして、一週間程餌付けした後に再度捕獲に入るというローテーションを行います。  この方法は、農作物の食害を行う個体を捕獲していく対策となり、全てのクリハラリスが捕獲の対象ということではありません。  梨が260個食害に遭った果樹園で、令和7年5月~11月の間、クリハラリス対策としてローテーション捕獲を行いました。 結果、120匹の捕獲に成功しました。 梨の被害は30個に減少しました。  今回のクリハラリスの食害対策は、担い手からの要望を受けた中で対策を行い、被害果数減少に繋がり、営農インストラクターとしても、大変貴重な取り組みとなりました。  今回紹介した、ローテーション捕獲は、クリハラリスだけではなく、アライグマやハクビシン等の野生動物の捕獲に対しても効果的な方法です。  丹精込めて栽培した農産物を野生動物から守る為に、地域単位で協力して、対策を実施していきましょう。 1. クリハラリスとは2. クリハラリスによる農業被害の実例3. クリハラリスの食害対策営農インストラクター情報〔 野生鳥獣被害対策 〕クリハラリスの食害対策【ローテーション捕獲】

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る