JA横浜営農情報_2025年10月
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9辺は11度台と非常に差がありました。 収穫に当たっては着色やへた付近の食味を確かめましょう。 少なくても赤道部が15度以上になっていることを確認しましょう。 〈 「太秋」の汚損果防止対策 〉 9月後半から現れる「汚損果」は、主に園内環境、果実生育、防除などが関係しています。 果実生育の後半に急激に肥大すると、果面に目に見えない程度の細かいひび割れが入る場合があります。 そのひび割れが雨滴や露滴に触れると黒変します。 場合によってはひび割れから病気が侵入し、二次的に傷みが広がります。 対策は次のとおりです。 ① 密植園の間伐、防風林や垣根の刈り込み  (風通し、採光の改善)② 9月以降の草刈り③ 長雨、台風通過後にトップジンM水和剤1,500倍などの殺菌剤散布④ 果実生育前半の肥大を良くする。 (摘蕾、早期摘果、真夏の適切な潅水など) 10月に入ると極早生品種の「日南1号」「上野早生」などの収穫が始まります。  極早生温州は酸の減少が早く、3分~5分着色でも果肉の成熟が進んでいますので、外観よりも食味を確かめて収穫しましょう。  なお、「宮川早生」などの早生温州の収穫は11月からですが、樹上で完熟させると食味が向上します。 収穫初期は酸味が強い果実がありますので、観光ミカン狩り園では評判を落とさないよう特に注意してください。 〈 秋肥の施用 〉 秋肥は極早生温州では収穫直後、早生温州では収穫期直前の 1 0月下旬~ 1 1月上旬に施します。 秋肥の目的は来年の花の充実や隔年結果を軽減するものですから、地温がある程度高い時期に施して、早く樹体に吸収させることが大切です。 成木園10a当たり、窒素成分で6㎏程度を速効性肥料で施してください。 〈 花芽抑制のためのジベレリン散布 〉 温州ミカンでは隔年結果がひどくなると、表年には着果過多で小玉に、裏年には皮が厚く味の悪い大玉のミカンになってしまいます。 もちろん収量も大きく変動しますので、生産面でも経営面でも支障がでます。  様々な隔年結果対策の中で、最近ジベレリンとマシン油乳剤の散布により、翌年表年で花が多くなりすぎる樹の着花を抑制し、隔年結果の波を小さくする技術が導入されてきました。 横浜でもこの技術の導入により表年の摘果労力の軽減や隔年結果の改善が見られるようですので、今回は具体的な方法について説明します。 ① 散布薬剤:・ ジベレリン協和液剤2,000倍(2.5ppm)と・ マシン油乳剤97%の60倍を混用する (マシン油乳剤97%には「スプレーオイル」 「ハーベストオイル」「アタックオイル」などがあります。 )② 散布時期・ 収穫終了後の年内(1月、2月になると効果が薄れます)③ 散布対象と方法・ 翌年、表年になる樹を中心に散布 (花芽形成を抑制するのが目的のため)・ 樹体全体に満遍なく散布 (マシン油乳剤によってハダニ、カイガラムシの防除を兼ねることができます) 〈 黒星病の秋季防除 〉 ナシ栽培において黒星病は最も注意すべき重要病害の一つです。 黒星病は一旦発病すると抑え込むのが非常に厄介な病害ですから、落葉処理と併せて秋季防除を徹底して少しでも園内密度を下げましょう。  芽の鱗片基部への感染時期は10月上旬以降、鱗片の生きている白い部分が少し露出してくる頃で、 平均気温15~21℃が感染適温とされています。 南関東では10月中旬から11月中旬にあたります。  10月中旬ころから10日間隔で2~3回、オキシラン水和剤【 M 1 + M 4 】5 0 0倍 や I Cボルド ー48Q【M1】30倍を散布してください。  両剤とも有機銅や無機銅を含む保護殺菌剤(予防剤)ですので、薬剤を樹体に付着させておくことが大切です。 付着を多くし予防効果を高めるため、パラフィン系展着剤「アビオンE」を1,000倍で加用すると良いでしょう。 〈 極早生温州の収穫 〉ナ シ温州 ミ カン

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