26 今回は、農薬の取り扱い・溶かし方(希釈)の基本についてです。 重要な事項ですのでこの機会に基本的な点を再確認して、手順を守ってください。 1.希釈して使用する剤和剤・水和剤等。 ブル剤>顆粒水和剤>水和剤がある。 積を考慮して、散布液量を決める。 *1a当たり散布液量の目安① ダイコン・コマツナ等葉根菜類や野菜の生育初期 : 8~10㍑。 ② トマト・キュウリ等1㍍以上草丈が高くなる野菜 : 15~20㍑。 ③ キャベツ・ネギ等付着しにくい野菜・ダニ防除・株元潅注の場合 : 20~30㍑。 ④ 果樹や植木等の場合 : 20~30㍑。 ・ 希釈時期 : 使用当日。 その日のうちに使い切る。 作り置き厳禁。 場所や、収穫・出荷・調製場所と別の場所で行う。 2.希釈倍率とはの倍率(薄める程度)。 *濃度と内容は同じ。 倍率は濃度の逆数。 ・ 希釈倍率から使用する薬剤量を求める計算式薬剤Aの量×希釈倍率(例 1000倍)=散布液量(例 10㍑)薬剤Aの量=散布液量(例 10㍑)÷希釈倍率(例 1000倍)=10ml(0.01㍑) 3.希釈に必要な器具類例する。 今月の営農技術顧問 山田 良雄( 計量カップ・シリンジ・電子ハカリ例 )【野菜】・ 容器の向き : 薬剤名が書かれたラベルは、常に上向きとする。 液が垂れてラベルが読めなくなる危険性がある。 ・ 計量器具 : 計量カップ・メスシリンダー・シリンジ(注射器具)。 5ml以下の少量の場合、シリンジが使いやすい。 スポイトは計量しにくい。 簡易なシリンジや計量カップは、ホームセンターや100円ショップの調理器具売り場で探すとよい。 ・ 計量スプーンや薬剤ビンのキャップ : 簡便だが、取り扱う本人が被爆する危険性が高い。 薬液が手に付かないよう手袋をするなど取り扱いに万全を期す。 ・ 薬液がこぼれた場合 : 砂や土をかけて、畑の隅等の土に埋める。 水で洗い流さない。 雑巾等での拭き取りは厳禁。 ふき取る場合、手袋を着けて、キッチンペーパー等に吸水させ、畑の隅等の土に埋める。 (2) 水和剤等粉・顆粒タイプの場合・ 希釈方法 : 農薬粉末の重さを量り、水で何倍に希釈するかで調製する。 ・ 袋の取り扱い : 取り扱い時に粉が飛散しやすいため、マスクをする。 使用途中の農薬袋は、折りたたんで密閉する。 簡易な袋止めクリップや洗濯ばさみを使うとよい。 ・ 計量器具 : 電子秤・バネ式秤。 農薬専用とし、出荷調製用との併用は厳禁。 ・ 計量スプーン : 薬剤ごとに容積重(比重)が違うため、原則、使用は控える。 ・ 薬剤がこぼれた場合 : 農薬専用の道具で掃き集めて、畑の隅等空いた土に埋める。 掃除機での吸引や雑巾等での拭き取りは厳禁。 手袋を着けて、湿らせたキッチンペーパー等に吸着させ、畑の隅等の土に埋める。 (3) 希釈後の用具の洗浄・ 用具は洗う : 計量カップや小分けの容器等使用した用具はよく洗う。 ・ 洗った液 : 散布器のタンクに入れる。 排水溝等に捨てない。 ・ 洗浄した容器の乾燥 : 次に使用する場合に備え、乾燥させる。 ・ 剤型の種類 : 乳剤・液剤・フロアブル剤・水溶剤・顆粒水・ 水に溶けやすい順番 : 乳剤>液剤>水溶剤>フロア・ 希釈倍率 : 剤や対象作物、病害虫等により細かく規定・ 希釈倍率の幅 : 希釈幅がある場合の目安。 殺虫剤 : 濃いめの倍率で使う。 殺菌剤 : 薄めの倍率、規定範囲内で散布液量を多くする。 除草剤 : 希釈倍率の規定がない場合が多い。 散布面積当たりの薬剤量を守る。 ・ 散布薬液量 : 散布幅の範囲内で、作物の生育状態と面・ 希釈場所 : 農薬使用専用の場所とする。 作物等の洗浄・ 希釈倍率 : 農薬使用基準に規定された水に溶かすとき (1) 乳剤等液体の場合・ 希釈方法 : 農薬の原液を水で何倍に希釈するかで調製今更聞けない・農薬取扱いの注意(その2)
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