7.散布器具① 専用の噴霧器:噴霧器で散布、薬液が雑草の茎葉に付着しやすいため望ましいです。 ② 「ジョーロ」での散布:簡便で50㎡以下の狭い面積の場合や比較的飛散しにくい利点がある。 噴霧器の場合を基準として、概ね散布薬液量が2倍必要です(目安:1㎡当たり0.5㍑・1坪1.5㍑)。 薬液の粒子が大きいため、雑草の茎葉に付着しにくく、効果が低くなりやすいです。 ③ 市販の希釈液を散布:規定濃度に希釈された除草剤が市販されています。 容器のまま使用できるため、簡便で手軽に使える利点があります。 「ジョーロ」での散布と同様な問題点があります。 ④ 使用後の洗浄:薬液は調合した当日中に使い切ります。 使用した器具類は、よく水で洗い、廃液は土にしみ込ませます。 8.散布時の服装① 暴露防止:散布する本人を保護します。 露出部分を極力少なくします。 足元がぬれないよう長靴、薬剤が付着しないよう長袖・手袋を付けます。 薬剤飛散を避けるマスク・メガネ(ゴーグル)を付ける。 ② 着替える:除草剤を使用した作業終了後、衣服を着替え、洗濯します。 ③ 石けんで洗う:万が一皮膚に薬剤がかかった場合、水だけでは落ちにくいため、石けんでよく洗います。 目に入った場合は、水で洗い、すぐに眼医者に行き、放置しないようにします。 9.散布の仕方① 他に飛散させない:目的とする雑草だけにかけるように心がけます。 栽培中の作物を背にして散布します。 ② 散布角度:噴霧器のノズルは下向きにします。 横や上向きでは、薬液が他に飛散するため厳禁です。 ③ 散布圧:除草剤用の低圧が望ましい。 散布液が「アワ」状であることを確認してから散布を開始します。 ④ 散布カバー:畦間散布や畑の境等、飛散した場合に事故につながりやすい危険性がある場所では、飛散防止のカバーや器具を付けます。 ⑤ 散布経路:ジグザグに歩く。 薬液に本人が触れないよう、散布した部分は極力歩かないようにします。 薬液がかかった雑草の上を歩くことにより、薬液が落ちて効果が低下します。 5③ 茎葉処理剤と土壌処理剤の混用:茎葉処理剤と土壌処理剤(発芽抑制剤)の混用は効果的です。 茎葉処理剤で生育中の雑草を枯らし、混用した土壌処理剤で後から発生してくる雑草を抑草することができ、効果が長続きします。 ④ 茎葉処理剤と殺虫剤の混用:ハウス周りや畑の通路等での散布時に有効です。 除草剤では害虫の防除はできません。 雑草が枯れると、雑草に生息していた害虫は、他に逃げ、栽培中の作物に影響する場合があります。 混用する殺虫剤は、飛散を考慮して栽培中の作物に登録のある薬剤を使用します。 5.ラウンドアップで枯れにくい雑草対策例 最近、ラウンドアップで枯れない「薬剤耐性」を示す雑草個体が増加傾向にあります。 対策として、次の使用例を参考にしてください。 ① イネ科雑草オヒシバ対策として、ナブ乳剤(h1)を混用します。 オヒシバが3~5葉期(概ね草丈10㎝以下)頃、ラウンドアップにイネ科雑草専用の除草剤「ナブ乳剤(h1)」を規定量混用する。 両薬剤の相乗効果が期待できます。 ② ザクサ液剤(h1)に替え、雑草の草丈15~20㎝の頃、希釈倍率100~200倍で1a当り15㍑程度散布します。 ③ キク科雑草のオオアレチノギク対策として、春の生育時期や、雑草の草丈20~35㎝の頃に、ザクサ液剤(h1)希釈倍率100~200倍で1a当たり15㍑程度散布します。 または、プリグロックスL(h22+h22)をロゼット状態の2月頃に散布します。 土壌表面の種子からの発生を抑え、枯草する可能性が高いです。 ただし土壌処理効果はありません。 6.除草剤専用の器具① 殺虫・殺菌剤と使い分け 噴霧器・計量カップ等の計量器具は除草剤専用とします。 除草剤には展着剤と同様な成分が多量に入っており、丁寧に水洗いをしても除草剤成分が落ちにくいため、それぞれ専用とします。 ② 噴口(噴頭・ノズル) 飛散しにくく・確実に雑草にかかる噴口を使います。 散布液の粒子が細かい霧状にならず、比較的粗く大きい「霧なし」「泡ノズル」を使います。 噴霧器の散布圧により使用する種類が違います。 「人力用」「動力用」「バッテリー用」等の中からお手持ちの散布器に合った噴口を使います。
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