JA横浜営農情報_2025年9月
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1×2今月の(出典:住友化学HPより) 「新鮮で美味しい地場産の農産物を消費者に届けたい」という想いで、日々農作物を栽培されていることに感謝いたします。 一方で、ラベルの確認不足や農薬散布時の飛散等により、当該野菜に登録のない農薬成分が農作物から検出される事案が複数発生しています。 多くの作物・品目を同じ圃場で同時に栽培していることが、この事案発生の背景にあると考えられます。 「気をつけていれば防げた」、「勘違いや誤解をしていた」など、ちょっとした気の緩みによって、安心・安全な横浜の農産物に対する消費者の信頼を損なうことがないよう、数回にわたって、見逃しがちな注意点や基本的事項について掲載していきます。 「今更ながら」、「自分は絶対に大丈夫」だと思わず、基本的な知識を再確認し、適切な農薬管理と農薬使用を励行してください。  初回は、直接的な農薬使用に関わる問題ではなく、生産者の責任とは言い難い事例です。 直接的な健康被害につながる危険性が高い事項ですので、内容を理解して事故が起こらないようにしてください。 1.古畳の堆肥や敷きワラ等農業利用の注意収・残留したり、家畜の健康に影響する。 リン・ディルドリン(以下、ドリン系農薬という。 )」「BHC・DDT」等の有害物質が含まれている危険性が高い。 ① 人体・家畜に有害な物質。 ② 水に溶けにくく、非常に安定。 ③ 自然条件下で50年以上長期間土壌中に残る。 ④ 土壌中に残留したドリン系農薬は、ウリ科作物に吸収されやすい。 ・ 原則:古畳は堆肥や敷きワラ等農業利用しない。 ・ 注意内容:土壌に有害物質が残留し、農作物に吸・ 根拠:古畳には、使用が禁止されている「アルド・ 有害物質の由来:1950~60年頃、イネ等の殺虫剤として広く使用され、残留したワラを原料とした畳がある。 「ディルドリン」はシロアリ防除剤として家屋に使用され畳に残留した可能性がある。 ・ 事故事例:古畳を使った堆肥や古畳のワラをすき込んだ畑で栽培した農作物から、ドリン系農薬が検出され、出荷停止になった。 ・ ドリン系農薬の特性営農技術顧問 山田 良雄【野菜】・ 古畳の利用について① 有害物質不検出保証がある物:「アルドリン・ディルドリン」「BGC・DDT」等の有害物質が検出されないことが証明された物は、農業利用可能。 ② 古畳を原料とした堆肥やワラを使用した資材等:安全性が確認できない物は使用しない。 ③ 古畳および古畳を材料とした敷きワラや堆肥をすき込んだ畑では、キュウリ・カボチャ等のウリ科作物を作らない。 ④ 有害物質が残留した可能性がある土壌は、防根透水シート・保水マット等で隔離ベット栽培することによりウリ科野菜を栽培でき、残留しなかった事例がある。 ・ 不安事や不明点は、営農インストラクターや技術顧問に相談してください。 2.農薬使用の安全性の確保 農薬は、病害虫・雑草防除等への効果が高く、次の4つの点について安全性が確保されている。 ① 生産・収穫した物を食べて安全。 ② 使用する生産者に安全。 ③ 使用した作物に安全。 ④ 周辺環境に安全。 3.農薬を使用して生産・収穫した物を食べて安全 農薬を使用した作物を食べた場合の人に対する今更聞けない・農薬取扱いの注意(その1)

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