38 梅雨期に入ると病気の発生が目立ったり、拡大する恐れが高まります。 また、空梅雨になった場合は思わぬ時期からハダニが多発することもあります。 過去の経験やカレンダーに頼り過ぎることなく、自分の果樹園において生育や病害虫等の発生を良く観察して、病害虫防除、新梢管理、果実管理などを適期を逃さないよう行いましょう。 無核栽培の大粒ブドウでは2回目のGA処理が終わり、仕上げの摘粒が終了したら、なるべく早く袋かけや傘かけを行いましょう。 ブドウの病気はほとんど雨によって感染しますので、雨から守るための袋かけや傘かけは必須です。 また、散布薬剤の付着による果粒の汚れや強い日照による日焼けを防止するためにも必要です。 袋掛け前の防除は基本的にチャノキイロアザミウマやうどんこ病が対象となりますが、昨年はハスモンヨトウが見られるようになりましたので、登録がある殺虫剤としてグレーシアフロアブル【30】を新たに採用しました。 なお、防除暦は次のようになっています。 〇 落花直後 カナメフロアブル【7】4000倍混用 ダントツ水溶剤【4A】4000倍〇 果実小豆大 ホライズンドライフロアブル【27+11】2500倍混用 グレーシアフロアブル【30】4000倍〇 袋掛け直前 インダーフロアブル【3】8000倍混用 アドマイヤー顆粒水和剤【4A】10000倍(1万倍) 注意したいのは、果粒が大豆大より大きくなってからの散布では、ほとんどの薬剤で「果粉溶脱」すく、外観の美しさがなくなる場合があります。 可能ならば防除は果実が小豆(あづき)大の頃までとしたいところです。 自園の病害虫の状況を見ながら判断してください。 〈 開花結実後の水管理 〉 GA処理(2回目)が終わり、果粒肥大と新梢伸今月の 〈 袋かけ前の防除 〉(果面の白いブルームがなくなること)が起きやカ キウ メブド ウ営農技術顧問 北尾 一郎【果樹】長が盛んになっています。 落花期~果粒肥大Ⅰ期(ベレーゾンの前まで)は最も土壌水分を必要とするので、雨が降らない場合は5日おきに20~30㎜(1日5㎜)を目安に潅水してください。 〈 カキノヘタムシガの防除 〉 5月下旬から6月上旬にはカキノヘタムシガの防除期を迎えます。 防除のタイミングとしては、「富有」の満開10日後を目安としてください。 防除暦では落葉病、炭疽病などの防除を兼ねて次のようになっています。 ダントツ水溶剤【4A】4000倍又は トクチオン水和剤【1B】800倍 混用 スコア顆粒水和剤【3】3000倍 ただし、例年、新葉にカキノヒメヨコバイの被害(写真)が見られる園では殺虫剤はダントツ水溶剤の方を使ってください。 〈 礼肥を十分に 〉 すでに収穫作業に入っているかと思います。施肥作業後に肥効が現れるには時間差がありますので、収穫中でも施肥を始めるようにしてください。 施肥量は年間の35%(窒素成分で 9~10㎏果樹の梅雨期の防除と新梢管理について
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