熱中症対策を義務化 農業法人含む事業者が対象、6月施行へ 厚生労働省は令和7年3月12日、労働政策審議会の分科会を開催し、熱中症対策を罰則付きで事業者に義務付ける方針を決定しました。 症状が出た労働者を早期に発見し、 躊躇(ちゅうちょ)のない医療機関への搬送など適切な対処を促すものです。 今後、労働安全衛生規則を改正し、令和7年6月からの施行開始を目指しており、農業法人を含めた事業者に労働者の熱中症対策を義務づけるものとなります。 事業者が対策を怠った場合、6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があるものとなります。 以下に改正のポイントをまとめましたのでご確認ください。 ◆ 具体的に何が変わるの?■ 義務化されること熱中症の早期発見のための報告体制を整備体調異常時の作業離脱・医療機関搬送などの対応手順を作成関係する労働者にしっかり周知する■ 対象となる作業環境以下の条件に当てはまる作業をする事業者は、必ず対策が必要です。□ WBGT(暑さ指数)28度以上 または 気温31度以上□ 連続1時間以上 or 1日4時間以上の作業また、熱中症が疑われる労働者が発生した場合は、作業環境に関係なく適切に対処する義務も生じます。 ◆ どうして法改正が必要なの?近年、熱中症による労働災害が増加しています。参考:近年における熱中症によるものとみられる死亡者数の推移令和2年~3年:約20人令和4年:30人令和5年:31人さらに、休業4日以上の死傷者数も 561人(令和3年)→ 1106人(令和5年) と 倍増。100件の死亡災害のうち、なんと100件で「発見の遅れ」や「対応の不備」があった というデータもあり、「初期対応ができていれば助かった命もあったかもしれない」 という状況でした。これを防ぐために、企業や農業法人を含めた事業者の責任がより明確なりました。 ◆ 企業や農業法人を含めた事業者は今すぐ何をすべき?令和7年6月の法施行を待たずに、早めに準備を進めましょう。■ 熱中症の報告体制をつくる(誰が、どうやって報告するかを明確に)■ 熱中症が疑われる場合の対応手順を作成する(作業離脱・医療機関搬送のルール決め)■ 従業員に対策を周知する(朝礼やポスターなどで意識づけ)■ WBGT28度以上 or 気温31度以上の環境での作業リスクを見直す ◆ まとめ:労働者を守るために企業ができること熱中症は命に関わる重大な問題です。「暑いから気をつけて」では済まされない時代になりました。これからの暑い季節に備えて、適切な対策を講じることが、作業者や従業員の健康を守るだけでなく、事業の安定にもつながります。今のうちに対策と内容を確認しておきましょう。【参考閲覧先サイト】 厚生労働省ホームページ熱中症を防ぐために知っておきたいこと 熱中症予防のための情報・資料サイトhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/11
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