JA横浜営農情報_2025年3月
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 チュウゴクアミガサハゴロモは、生態に不明な部分があるようですが、近縁の在来種であるアオバハゴロモは身近な存在で、どこでも確認されており生態については参考になるかと思われます。たまに一般の方から相談がある程度ですが、大発生して問題となることはほとんどありません。どちらもアブラムシやセミに近い仲間です。(1)密度を減らす これから特に常緑樹などは整枝・剪定などで被害箇所を極力処分して密度を減らすという耕種的な防除が有効ですが、被害箇所が多くとても枝葉の処理はやりきれない圃場も多いようです。植木生産者の方々は、習慣として定期的に農薬散布する方は少ないようでハナミズキにうどんこ病やサクラにケムシの発生などを確認した時にピンポイントで散布するなどで対処する方が多いようです。しかしながら、圃場全体に産卵跡が多いケースだと面倒でも月に何度か農薬散布することが必要となります。(2)薬剤散布 登録農薬はありませんが、在来のアオバハゴロモには①ダントツ水溶剤がカンキツとキウイフルーツに②マラソン乳剤がカンキツに③エルサン乳剤がハゴロモ類としてクワに④ベニカXネクストスプレーとベニカXファインスプレー(共に混合剤)がマサキに⑤ベニカ水溶剤がカンキツとキウイフルーツに登録があります。(2025年2月5日現在) 成分的には有機リン剤、ネオニコ剤、合ピレ剤などが有効かと思われます。夏場になって羽が出て飛翔能力をもってからだと駆除の効率が大きく低下しますので、動きが比較的鈍い幼虫期に徹底的に駆除したいところです。近隣の植木圃場含め協力して一斉散布すれば効果は大きいと思われます。なお、圃場が広大で全体の散布が無理でも被害樹種をよく確認し状況を判断した上でピンポイントでの散布を行った方が良いと思います。① 圃場内の被害樹種をよく確認すること② 可能な限り整枝・剪定で密度を減らす③ 幼虫発生期に集中して農薬散布を実施④有機リン剤、ネオニコ剤、合ピレ剤は有効と思われる。使用は生産者の判断⑤ 近隣に植木圃場が多く被害が顕著であれば生産者同士協力して一斉防除も有効⑥圃場周辺に野菜畑がある場合はドリフトに注意!⑦ 外来種は増殖能力や適応能力が高いので決して侮ってはいけない。継続して発生状況を確認すること!【 アオバハゴロモの発生消長 】【 まとめと注意点 】【 これからの対策 】(幼虫)(幼虫)(成虫)(成虫)( 静岡県植物防疫協会 農作物病害虫診断ガイドブックより )( 静岡県植物防疫協会 農作物病害虫診断ガイドブックより )5

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