JA横浜営農情報_2025年2月
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4.再生リンの肥料特性 5.再生リン入り肥料の使い方 の肥料登録済みです。 畑等での実際の栽培に使用可能ですが、現時点では販売の計画はありません。 生産者の声や情勢に応じて今後判断することも想定されます。        保証成分は、アンモニア性窒素:4.0%  く溶性リン酸:20.0% く溶性苦土:11.5%。 ④ 再生リンの安全性            結晶化させる化学反応で回収しているため、重金属や有害な化学物質等の不純物はほとんど含まれていません。            既に、同様な取り組みを行っている福岡市や  神戸市の年間を通じた分析結果では、国が定めている安全基準を大幅に下回る数値、一部の物質では検出限界値以下の結果となっています。  再生リンの肥料特性について、数年間、国や県が既に試験を行っています。 主な結果の概要は、①作物の生育に合わせて徐々に溶ける、②pH8以上のアルカリ性の強い土壌では溶けにくくなる、③大半の野菜では肥料効果に問題は見られない。  く溶性ですが、水溶性リン酸と「熔リン」等く溶性リン酸の中間的な肥効を示します。  野菜の生育期間中徐々に溶け・肥効を発揮するため、土壌に吸着される割合が低くなり、肥料効率が高くなる傾向がある。  神奈川県農業技術センターで3か年の試験結果では、コマツナやタマネギ等の横浜で多く栽培されている野菜類で、化成肥料と同様な収量、一部の品目では増収がみられています。 ホウレンソウで、若干減収する傾向が複数の県でみられています。  様々な土壌で試験をした国の試験でも、神奈川県とほぼ同様な結果でした。 しかし、土壌pH8の土壌では、リン酸の肥効が極低い傾向が見られました。 (1) 品目別専用肥料との使い分け① 再生リン入り肥料に切り替えを基本とする  現在、野菜の各品目別専用肥料の使用が多い。 肥料特性と技術面から見て、「再生リン入り肥料8-8-8」に切り替えることが、基本と考 えている。 ② 品目別専用肥料              大半の野菜品目別専用肥料の成分バランスは、県の施肥基準に合っていない。 品目別専用肥料を製造した時の畑の土壌養分や施肥体系は、製造した時点と現在とでは大きく変化してきているため、現状に合わなくなってきている。                  このため、基本的には、別途リン酸資材やカリ資材の追加散布(補充)、一部は除去が必要な状況となっている。 個別銘柄については、別表の「再生リン入り肥料の使い方(案)」を見てください。 ③ 切り替えの利点              「再生リン入り肥料8-8-8」は、元肥と追肥共通して使える。 野菜品目に関係なく多様な品目に使える。 このため、在庫管理が楽になる。 価格的には化成の「8-8-8」とほぼ同程度の価格になるものと想定され、経済的にも相当程度抑えることが出来る。 *別表の慣行肥料との堆肥を参照ください。 ④ 使用に当たっての留意点          3要素が同じ割合のため、県施肥基準に則した施肥には、一部リン酸やカリ成分の過不足が生じる。 品目別専用肥料と比較して、過不足の程度が小さいことと、リン酸資材は徐々に肥効するため補充量を少なくでき、経費的に有利である。 また、土壌分析結果を踏まえた施肥設計しやすくなる。 (2)再生リン入り肥料の使い方① 基本的な使い方              化成肥料「8-8-8」とほぼ同様な使い方。   元肥及び追肥として使用可能。 く溶性リン酸のため、追肥でもリン酸の効果が期待できる。 肥料の形状はペレットで、化成肥料より若干大きめですが、機械散布や溶け方等に対しても問題はありません。 ② 施肥量                  目的とする野菜品目ごとの施肥基準のチッソ成分に合わせた施肥量を基本とする。 畑の地力や土壌等に合わせて、施用量を加減する。 7

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