JA横浜営農情報_2025年2月
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神奈川県農業技術センター横浜川崎地区事務所TEL.045-934-2374生産資材の消毒について(担当 安井) 春夏の野菜苗の準備の時期になりましたが、育苗ポットや育苗トレイ、支柱などの生産資材の消毒はお済みでしょうか。土壌や種子と同じように生産資材も消毒が必要です。 前年に病気が発生していた場合、資材にはその病原菌が付着したままになっている可能性があります。そのまま資材を使い回すと病気の感染源になりますので、特に注意が必要です。また、昨年目立った症状がなかった場合でも予防として資材の消毒を行いましょう。 ケミクロンGは様々な病原菌に対して強い殺菌力を持っており、また使用後は速やかに分解消失するので、使いやすい剤です。 使用方法としては、水10Lに20gのケミクロンGを入れ500倍液を調整し、その500倍液の中に育苗ポットや育苗トレイを瞬間浸漬します(1000倍液の場合は10分間浸漬します)。浸漬が終わったら、水道水等のきれいな水で洗い流し、水切り乾燥をさせてください。また500倍液をジョウロで上から散布する使用方法もあります。散布後は、浸漬と同様に、水洗・乾燥を行ってください。 使用する際の注意点として、十分な換気をした中で行うこと、作業はゴム手袋をして行うこと、金属類はさびやすいので消毒後はすぐに水洗いすることを徹底してください。 残液の処理は、少量の液は付近に影響を及ぼさない地面に、穴を掘って捨てます。大量の場合はハイポまたは亜硫酸ソーダで、中和してから徐々に排水します。直射日光に1~2日さらし、有効成分を消失させてから徐々に排水します。 イチバンは広い抗菌スペクトルを持ち、特にイネ苗立枯病の原因となるリゾープス菌に効果があります。 使用方法としては、イチバンの500~1000倍の希釈液を調整し、育苗ポットや育苗トレイを瞬間浸漬します。またジョウロで上から散布する使用方法もあります。浸漬後または散布後は風乾します。 使用する際の注意点として、長時間の浸漬は避けること、作業はゴム手袋・保護メガネ・マスクをして行うことを徹底してください。また収穫用コンテナなど収穫物に直接触れるものには使用できません。 残液の処理は100Lあたり約3㎏の消石灰を投入し、数日間直射日光にさらし有効成分を消失させた上で、養魚池や河川に入らないよう、危険のない場所で処理してください。 実際に生産資材の消毒を行う場合にはラベル等で使用方法をご確認の上、ご使用ください。1 ケミクロンG(次亜塩素酸カルシウム)に よる消毒2 イチバン(ベンチアゾール乳剤)による消毒表1 ケミクロンGの使用方法使用対象・使用目的希釈倍率使用方法催芽箱、育苗箱、育苗トレイ・ポット、植木鉢、果実類貯蔵箱、温室用資材、収穫用かご等 農具の消毒1000倍10分間浸漬500倍瞬間浸漬またはジョウロ散布剪定用ハサミの消毒瞬間浸漬表2 イチバンの使用方法使用対象・使用目的希釈倍率使用方法育苗箱(木箱、プラスチック箱)育苗用ポット支柱等資材※収穫用コンテナ・かごを除く500~1000倍瞬間浸漬またはジョウロ散布12

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