Agri横浜8月号 vol.197
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技術顧問 川西 智隆食肉は空気中に浮遊する雑菌やカビ類が食肉表面に付着し、増殖することで変質を起こします。その最大要因は温度です。温度の高い場所での保管は品質低下の原因で、食肉は低温で管理することを留意しなければなりません。しかし、低温保存しても起こりやすいのが酸化による変質です。食肉の脂肪やタンパク質を酸化させず食肉を安全でおいしい状態に保つための扱い方が大事です。また、食肉表面を乾燥させると揮発性の芳香分を失い、うま味が低下します。ここでは食肉の品質保持についてお話します。と ちく理想的な管理温度土や緑とふれあう暮らし食肉の骨付き枝肉、部分肉、精肉のいずれも理想的な管理温度は0〜2℃といわれています。衛生的に屠畜し、全ての衛生検査に合格した食肉は無菌状態です。しかし、その後の加工過程で空気中の雑菌等による汚染が発生すると、空気に触れる面積の多い肉ほど保存に差が出ます。ブロック肉(塊肉)、厚切り肉(切り身)、角切り肉(シチュー用)、スライス肉(すき焼肉用)、ひき肉の順に保存性が低下していきます。ひき肉は空気に触れる部分が最も大きいので、雑菌等に汚染される割合が高いのですが、決して鮮度の落ちた肉を使っているからではありません。食肉の処理をする作業室の内部温度は15℃くらいに維持できれば良いとされています。食肉の保存(冷蔵庫保管 : チルド)①低温保存であること(摂氏0〜2℃)食肉の保存(冷凍保管 : フローズン) ①食肉処理工場では枝肉から部分肉を作り、それをマイナス35℃以下に急速冷凍するのに屠畜から3日ほどかかります。その後マイナス20℃以下で保存します。(この時の鮮度は極めて良い状態です)チルドを保存する場合、家庭用冷蔵庫では扉の開閉が頻繁で庫内温度が安定しません。特に夏場は冷蔵庫内の温度が上昇しないように注意が必要です。(詰め込み過ぎは注意) ②空気を遮断するためラッピングをすることまとめ買いする場合は肉を切り分け外気を遮断するラップ材、密封容器等を活用します。厳重保存しても家庭用冷蔵庫での賞味期限は生牛肉:3〜7日、生豚肉:2〜4日程度です。②家庭用冷蔵庫のフリーザーは大体マイナス10℃程度、これでは食肉深部まで凍結するのに時間がかかりすぎるため、急速凍結と比べると変質が進みやすくなります。③家庭での食肉凍結の注意ⓐブロック肉のような大きな塊を冷凍するのはⓑ1回で使い切る量ごとに小分けして冷凍します。避けます。安全な取り扱い

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