JA横浜_Agri横浜 VOL.249
6/12

猛暑も後押し糖度は抜群消費者目線で情報発信 かみ ごう()ほじょう貫く。森果樹園はこの道からわずかに坂を下ったいたち川の河畔に圃場を構え、幸水、豊水など7種類の梨と、紅伊豆、藤稔、シャインマスカットなど求には妥協を許さず、新品種の導入にも余念がない。山を隔てて鎌倉市と接する栄区の上郷地区。丘陵の合間を環状4号が果樹園に、園主の森正己さんの姿があった。手塩にかけた梨とブドウ。その1玉、1房ずつに鋭く視線を向ける。樹上で限界近くまで熟した、一番の食べ頃を消費者に届けたいとの思いで、収穫に適した果実を厳選する。来こそなかったが、梅雨明け以降は猛暑と少雨に見舞われた。「収穫時期が10日ほど早まって、梨もブドウも実が小さめ。その代わり、濃厚な味に仕上がった」と話す。気象条件の後押しもあって全体に糖度が高めで、幸水で15・4度を計測した。シャインマスカットに至っては24・1度という記録も。一般に「甘い」とされる度数を大きく上回った。日頃のきめ細かい生育管理と収穫適期の見極めが8月下旬、実りの季節を迎えた今シーズン(令和5年)は台風の襲実を結んだ。正己さんは梨の栽培を始めて40年、ブドウは25年ほどになる。圃場はそれぞれ20㌃。消費者の評判などを基に改植にも取り組み、梨では従来品種の一部を神奈川県が育成した新品種「香麗こうれい」や「なつみず」などに植え替えた。香麗は7月下旬から収穫の始まる極早生種。季節を先取りして消費者にアピールし、需要の掘り起こしを図る。収穫の時期には、「浜なし」「浜ぶどう」と白抜きした赤と青ののぼりが、森家の入り口に立つ。朝の9時から整理券を配り、9時半に販売をスタート。熟れ具合を見ながら収穫するため、販売できる品目や数量は日によって異なるが、これらの情報はグーグルマップの店舗情報欄に随時掲載。期待して訪れた客をがっかり13種類のブドウを生産する。消費者から喜ばれることを第一に、食味の追顧客ニーズ第一に妥協のない果樹栽培栄区上郷町森 正己さん(73)濱農浪漫

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る