JA横浜 Agri横浜 Vol.237
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種子松ぼっくり土や緑とふれあう暮らし緑の情報箱雄花鱗片◀盆栽展に出品された均整の とれたゴヨウマツ技術顧問 福井 英治雌花庭園用の樹木としての松は、クロマツ、アカマツ、ゴヨウマツを指します。簡単な見分け方は、樹皮が黒褐色で葉が硬く触ると痛いのがクロマツ、赤褐色で軟らかく触れるのがアカマツ、葉が短く5本ずつ一束につくのがゴヨウマツです(クロマツ、アカマツは2本)。それぞれ明るいところを好みますが、クロマツは海岸沿いで群落を作り、アカマツは山地や内陸、ゴヨウマツは高地も含め山地に自生します。他の樹木が生えないような岩や砂だらけの荒地でもよく育ちます。1.クロマツ(黒松)枝の曲線と幹肌が美しく女性的な感じがすることからメマツ(女松)とも呼ばれます。アカマツ林でマツタケが取れることで有名です。松には写真のように2種類の花があります。茶色い雄花の上の方に雌花を咲かせます。雌花:主に他の松から風で飛んできた花粉を受粉し、   1年半後の秋ごろに松ぼっくりになります。雄花:花粉を飛ばし他の松の雌花に受粉させます。 乾燥すると鱗片が開いて羽つきの種子を風に乗せて飛ばします。砂浜に松 白砂青松(はくしゃせいしょう)とは字のごとく、白い砂浜に青々とした松林が続く美しい海岸の代名詞です。枝ぶりが力強いクロマツならではの風景です。クロマツの葉は細いので強い風に飛ばされず、海岸の風や塩害にも強いため昔から人の手で植えられました。 砂浜のような養分や水分がほとんどない所は、樹木2.アカマツ(赤松)松の特徴松ぼっくりと種子力強く荒々しい感じがあるので、オマツ(雄松)とも呼ばれます。▼横浜農協植木品評会に出品 されたアカマツ 3.ゴヨウマツ(五葉松)葉は密生し枝が水平に伸び、仕立物としての利用が多いです。松といえば常緑(トキワ)、いつも変わらず若々しく青々とした樹木ということで、神の宿る木としてさまざまな民俗行事に用いられています。「松竹梅」でも上位にある縁起の良い植物として、庭園や盆栽、正月の門松や飾り用松など日本人の生活の中に溶け込んだ欠かせない植物です。年の瀬を迎えて松を知る

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