JA横浜_Agri横浜Vol.272
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と               細菌もウイルスも目には見えません。細菌は温度や湿度などの条件がそろうと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こします。一方、ウイルスは、細菌のように食べ物の中では増殖しませんが、食べ物を通じて体内に入ると、人の腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。また、ウイルスは低温や乾燥した環境内で長く生存します。食中毒の原因となる細菌やウイルスは、私たちの周りの至る所に存在しています。肉や魚などの食材には、細菌やウイルスが付着しているものと考えましょう。また、いろいろなものに触れる自分の手にも、付着していることがあります。細菌やウイルスが付着した手を洗わずに食材や食器などを触ると、手を介してそれらにも付着してしまいますから、特に注意が必要です。おう食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、小まめに手を洗いましょう。生の肉や魚などを切った包丁やまな板などの器具から、加熱せず食べる野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度きれいに洗い、できれば加熱処理しましょう。加熱しない食材を先に取り扱うのも一つの方法です。焼き肉などの場合には、生の肉をつかむ箸と焼けた肉を取り分ける箸は別のものにしましょう。食品の保管の先にも、食器に付いていた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたり、ラップをかけたりすることが大事です。細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10度以下ではゆっくりとなり、マイナス15度以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには、冷蔵庫などで低温保存することが重要です。なお、冷蔵庫に入れても、最近はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに使い切ることが重要です。ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども過熱して食べれば安全です。特きれいにしているキッチンでも、細菌やウイルスが全くいないとは限りません。食器用スポンジや布巾、シンク、包丁、まな板などは、細菌が付着・増殖したり、ウイルスが付着しやすい場所といわれています。食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物や調理器具に「付けない」、付着した細菌を「増やさない」、付着した細菌を「やっつける」が原則です。に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。中心部を75度で1分以上加熱することが目安です。布巾や包丁、まな板などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。特に肉や魚、卵などを調理した後の器具は、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけておきましょう。塩素系漂白剤の使用も効果的です。日頃から健康状態の把握や健康管理を行い、嘔吐や下痢の症状がある場合などは調理を行わないようにしましょう。ウイルスが調理場内に持ち込まれても、それが食品に付着して口から体内に入らなければ食中毒に至ることはありません。重要なのは、小まめな手洗いと、布巾や包丁、まな板などの調理器具を洗剤でよく洗った後に熱湯消毒を行うことです。特集特集

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