Agri横浜 vol.224
8/13

大学の長期休みを利用し、祖父・正一さんの畑仕事を手伝っていた秋山さん。授業が始まり自分が抜けると、人手不足が目に見えて分かった。「農業をやるなら早く始めた方がいい」と考え、大学卒業を待たずに就農した。幼い頃から農業は身近なものだった。泥遊びをしたり、トラクターに乗せてもらったり―。「新鮮な野菜が食卓に並ぶのも、当たり前の光景だった。だからこそ、今でも野菜が大好き」と笑顔を見せる。就農前から農業の魅力発信に力を入れていた秋山さん。インスタグラムを始めるきっかけは、何気なく投稿した1枚のうどの写真だった。「これは何?」と予想以上の反響があり、驚いた。それ以降、作業日記の代わりに、小まめに更新する。投稿写真は写り方で野菜や農業への印象が左右されるため、自分で納得のいくものを厳選。フォロワーは4600人を超え、家庭菜園や食に関心の高い人に好評だ。「普段食べている野菜の栽培過程を知らない消費者も多い。『食』を通じて、農業や農家にも目を向けてもらえればうれいしい」と期待を込める。普段の農作業は正一さんから学ぶ。耕うんや定植、収穫など一連の作業に携わり、1.3㌶の畑で露地野菜25品目を栽培する。特に力を入れているのはうど。以前は、上瀬谷通施設跡地の地下室むで栽培していたが、同施設が国に返還され、室が使えなくなった。露地での土ふせ栽培に変更し、「相模うど」として生産する一方で株数を大幅ろ 卒業待たずに就農インスタで魅力発信秋山良太さん(22) 瀬谷区上瀬谷町「横浜瀬谷うど」への挑戦草一つない広大な畑でキャベツを収穫する秋山さん今年5月に就農した秋山さん。上瀬谷農業専用地区にある畑で、祖父母と共に農作業に従事する。栽培技術やノウハウは勉強中だが、地元野菜をPRするためSNSを活用し、消費者が普段目にしない、定植やトラクターでの作業風景を紹介するなど、新たな試みに挑戦。さらに、かながわブランド「横浜瀬谷うど」の栽培に向けて準備をしている。自分の理想とする農業を目指し、日々奮闘する。“今どき”の方法で農業PR若手農家の新たな挑戦

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る