Agri横浜 vol.224
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は しゅ小宮藤正さんは江戸時代から続く苗木屋の4代目。造林用の苗木生産に取り組む農家は市内でも2戸しかいないそうです。50年ほど前までこの地域は一大産地でしたが、スギやヒノキが原因による花粉症の広がりで状況が悪化。近年は無花粉や少花粉の品種が開発され、需要が回復傾向に。9月は生長抑制のための根切り作業を進め、来年2月ごろからの出荷を目指しています。管理するほ場は2・5㌶で、苗木はその2割ほどで栽培。「スギ」「ヒノキ」「マツ」のほか、広葉樹の「ヤマボウシ」「ヤマザクラ」など合計1万本を神奈川県山林種苗協同組合を通じて出荷しています。苗木は出荷までに2、3年かかります。シーズン前に県内の母樹林から採種し、4月下旬に播種。敷きわらで乾燥を防止し、発芽を促します。夏場は寒冷紗で光量を弱め、かん水チューブも設置。1年後には株の大きさごとに4規格に分けて移植することで根に負荷をかけて抵抗性を付け、出荷に備えます。出荷前には神奈川県から認定を受ける必要があり、品種ごとに25本を提出し、90%以上が出荷基準を超えていると認定書を授与され、ようやく販売ができるように。今年は強風による倒伏や長雨で病気が発生する被害が出ましたが、小まめな肥培管理で乗り越え、順調に生育しています。先代までは苗木専門でしたが、収益の確保が難しくなり、規模を縮小。小宮さんの代で野菜の生産も始めました。年間30品目をJA横浜「ハマッ子」直売所本郷店や、戸塚区役所内の地産地消コーナーで販売。11月はキャベツ、落花生、カブなどの出荷が始まっています。「苗木の管理作業は野菜ほど手間が掛からないので続けられている。歴史ある家業なので、ノウハウを伝えながら息子につないでいきたい」と話します。 月火〜〜木金戸塚区役所の地産地消コーナーは開店前から行列ができるほど人気鳥獣被害が多いため、畝に目視しにくい黒い糸を張り巡らせるナスは霜が降りる11月中旬頃までとれる予定戸塚区役所 地産地消PR直売コーナー水午前10:00よこはま・ゆめ・ファーマー13:00JA横浜戸塚支店グループ午後13:30よこはま・ゆめ・ファーマー16:30雑草が苗木の病気の原因になるため、小まめな除草作業も欠かさない野菜など野菜・惣菜・加工品など野菜・果物など野菜などJA横浜豊田支店グループ野菜・果物・加工品など戸塚下郷支部グループ舞 岡ふるさと村((かねこふぁ〜む(小野ファーム)アイスクリーム・和牛加工品など祝日・年末年始はお休みです。予告なしに変更する場合もあります。(小野ファーム)JA横浜豊田支店グループJA横浜大正支店グループ野菜など野菜など▲根切りした木は手でも簡単に抜ける▶移植したほ場では苗木を50㎝ほどの高さまで育てる戸塚区原宿PROFILE大学卒業後から家業の苗木屋を継いでいます。造林用の苗木が不況になったことに伴い、広い農地を生かして8年ほど前から野菜栽培を始めました。現在は農業委員で、これまでJA大正支店の評議員、原宿支部の支部長を歴任しました。さん(66)歴史ある家業を     守り続ける農業・林業農業・林業

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