Agri横浜 vol.224
4/13

小山さんは柴シーサイドファーム内にあるハウス3棟と畑を合わせて30㌃を管理。トマトを主力に少量多品目栽培をしています。「海の仕事があるからといって、中途半端なことはできない」と話し、初めてトマトを販売した時に「おいしくない」と言われたことを教訓に、日々、農作業に励んでいます。そこからトマトは毎年、定植時期や肥料の配合、かん水の仕方を変えながら栽培法を研究し、独自のスタイルを築きました。今ではファンも多く、地元ホテルのレストランで使ってもらえるようになったそうです。旬を迎え、JAの「ハマッ子」直売所メルカートいそご店や土日に開く柴シーサイドファーム内の直売に出荷しています。県立かながわ農業アカデミーを卒業後、すぐに同校の非常勤講師を務めるようになった平本春香さん。生徒との年齢も近いことから、友達のように何でも相談ができる環境づくりを心掛けて授業をしています。当初は畑での実践経験も少なかったことで、生徒から質問を受けても分からないことが多く、他の講師から答えを聞いて伝えるなど、その場で応えられない自分との葛藤があったといいます。学校に行くのは週に1〜2回で、授業の内容は実習がほとんど。生徒が畑を一区画ずつ任され、収支を予測して生産から出荷までの計画を立てて実践しています。高校を卒業したばかりの学生が計画を立てるため、中には無謀な案も。「否定をせずに、うまく軌道修正してあげることが大切。ヘソを曲げてしまう繊細な子もいるので」と、自分の過去とも重ね合わせている様子でした。家では畑とハウス1棟合わせて2・5㌶で、40品目の野菜と果樹を栽培。祖父は少量多品目栽培し、父はトウモロコシやブロッコリーなど品目を限定し、大量生産しています。平本さんは祖父と父を手伝いながら、少しずつ自分の色を出すために挑戦を続けています。「アカデミーに通っていた頃から、女性ならではの視点で作物を増やしたいと考えていた」と、就農3年後には種苗会社の担当者と相談を重ね、ミニトマトだけでも10品種以上増やしました。色や形、珍しさなど、消費者の目の引く作物を次々と試作。今では当時の2倍近くまで品種が増えているそうです。「思い立ったらすぐに行動に移してしまうのが私の性格。時には失敗もありますが、このまま突き進んでいきたい」と話します。一日の作業予定をホワイトボードで管理無事に収穫期を迎えた特大ピーマンの「とんがりパワー」やるからには全力で平本さんの母校であり、今も活躍する海老名市にある農業者教育研修施設 県立かながわ農業アカデミー今年から作業の効率化を図るため農業アカデミー時代の同級生を雇用▲年内まで続くミニトマトの出荷▶他の生産者と出荷時期をずらして作る大根(今年は10月8日から出荷)神奈川区羽沢町PROFILE神奈川県立中央農業高校を卒業後、県立かながわ農業アカデミーへ。2年間基礎を学び、就農してすぐに市内の女性農業後継者で構成する農娘会(のうむすかい)に加入。同じ境遇で農業に取り組む仲間たちとの交流の輪を広げています。11月は大根や長ネギなどがさん(23)我が道を突き進む    イマドキ女子農業・農業アカデミー非常勤講師農業・農業アカデミー非常勤講師

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る