品評会での評価が自信にせんていはくかつ、量販店などに並ぶ品との味の違いが分かりやすく、アピール材料になる」。本来は同時期にナスが収穫のピークを迎えるが、早めに更新剪定をして収量を抑え、トマトの管理に専念できるようにした。が作る野菜〟。子どもの頃から慣れ親しんだその味は、野菜本来のおいしさが存分に引き出されていた。栽培方法をまねれば近い味になるものの、祖父は施肥量が多い傾向にあったという。土壌診断の結果から、JAの営農技術顧問に「長く栽培を続けるためにも、土壌改良をした方が良い」と言われ、今シーズンは肥料の見直しを進めながら栽培に取り組んだ。ていたが、肥料を変えたことで『甘いだけ』になってしまった」と話す。一方、消費者からは好評で、直売でも売れ残ることはなかった。「万人受けを狙うか、自分の理想を追求するか。悩ましいところ」と苦笑する。あった。でも、消費者に手に取ってもらうには、見た目も重要」。昨年、初小原さんが手本にするのは、〝祖父「甘くて味の濃いトマトを目指し「1年目から野菜の味には自信がめてJAの持寄品評会に出品。結果は、「果菜類は一つも入賞できなかった」と、悔しい思いをした。その中で、先輩農家の出品物の美しさに刺激を受け、見た目の質を上げるために畑の環境整備に着手した。果菜類の品質向上には、風対策が欠かせない。これまで簡易的に畑を囲っていた防風ネットを全て張り直し、風の影響を最小限にするよう努めた。剪定や摘芯は、ベテラン農家のように一度で仕上げるのは難しいため、1週間の作業をルーティン化。「下手なりに、とにかく回数を重ねて適切な状態を保った」。万全の準備をして臨んだ今年の品評会は、ナスで優秀賞と優良賞を受賞。トマトも良好賞に選ばれた。「まさか優秀賞を取れるとは思っていなかった。この結果は励みになるし、販売する上でも箔が付く」と笑顔を見せる。品評会への挑戦は、販路拡大を見据えたものでもある。今年から自動販売機を導入予定で、「対面販売ではないため、賞状があれば品物の価値を伝えられる」と考え、今後の販売に生かしたいという。小原さんは3人の子を持つ父。農業と子育ての両立は苦労も多いが、地元の食を支えるため努力を続けていく。右上右下左モロヘイヤを収穫する小原さん出荷準備では果実の汚れを1本ずつ丁寧に拭き取る秋からはナスの収穫が本格化する
元のページ ../index.html#7