JA横浜_Agri Vol.247
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息子たちの意思を尊重左上行っていた引き売り、JA戸塚支店で開く野菜直売などに出荷。幸水や豊水は消費者の認知度も高く売れ行きが良かったが、その他の品種は味の特徴を丁寧に説明。主流ではなかった品種も徐々に知られ、ファンが増えていった。の野菜直売で販売。自宅直売は、早い時は10分で完売するほどの人気で、宅配予約も多い。「贈り物として宅配を受け取った人から、直接追加で注文が入ることもある。味や品質を認めてもらえるのはうれしい」と笑顔を見せる。べて栽培管理が難しくなっているという。「栽培を始めた頃は、8月のお盆に収穫に行っても、適期を迎えているのは2〜3個程度だった。それが今では、お盆は収穫最盛期。自然環境の変化を実感している」。特に今年は猛暑の影響で収穫期が早まったことに加え、果実に「日焼け」ではなく「やけど」の症状が出た。やけど部分は黒くなり見栄えが悪く販売できないため、天候や生育状況を見ながら早めに収穫して対処。「今後も栽培環境は厳しくなっていくと思う。毎年学びがある」と話す。現在は自宅直売と宅配、戸塚支店売り上げが好調な一方で、昔に比丸伝農園では梨を和夫さん、ブドウとイチゴを保雄さん・直樹さんが担当する。長年、梨栽培1本でやってきたが、保雄さんが「ブドウをやってみたい」と10年ほど前に栽培を開始。「藤稔」「シャインマスカット」をメインに、輸送がいらない直売の強みを生かし、果粒が割れやすい一方で糖度が高い「紅伊豆」も手掛ける。イチゴは冬場の農業収入の確保も視野に、直樹さんが区内農家で研修を受け、昨年から「紅ほっぺ」「おいCベリー」の栽培を始めた。和夫さんは「自分のやってきたことを押し付けず、息子たちの意思を尊重している。私が野菜から梨にシフトしたように、お客さんの声を聞きながら、農園の形を変えていけばいいが、緑は減らさないでほしい」と思いを語る。農環境を守る一つの方法として、食農教育にも取り組む。梨畑の見学受け入れや学校給食への納品、地元幼稚園にイチゴ栽培施設を無料開放するなど、子どもたちに地元の農業に関心を持ってもらう機会を設けている。丸伝農園は地域と一体となり、時代と共に姿を変えながら農業や地元食材の魅力を発信していく。下朝収穫した梨を直売に並べる和夫さん親子で丸伝農園を盛り上げる(左から)次男・直樹さん、和夫さん、長男・保雄さん収穫期を迎えた「豊水」

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