JA横浜 vol.235
5/12

①子ども食堂・地域食堂②フードバンク③無料塾・居場所を応援したいと考えています。 子どもの貧困の背景にはさまざまな社会的要因があり、家庭を取り巻く環境も一律ではありません。個々に寄り添って支援できるのが市民活動の強み。各分野の活動の現状や課題について以下にまとめました。 コロナ禍で、持ち帰り弁当の配布やフードパントリーなどの活動に移行していますが、徐々に会食も再開されています。月に数回、低料金での食事の提供という事例が多く、活動費は値上がりが続く食材や消耗品の購入などに充てられます。 ひとり親、特に母子家庭の貧困率は高く、そうした世帯を対象とした食支援が中心です。倉庫の賃料や運搬費がかかる他、寄付品以外にも食材を購入するため、比較的大きな活動資金を必要としています。 教育格差をなくすための学びの支援や、遊びの要素を取り入れた居場所づくりなど、地域の交流の場として大きな役割を担います。事例によってはボランティアの活動費や会場費などが発生します。◇ ◇ ◇立20周年記念式典で、今回の助成施策を披露します。その後、市民基金が主体となり、ポスターの掲示や、広く市民活動への広報を通じ、当該プログラムを周知し、応募を呼びかけます。④①「NPO法人フードバンク浜っ子南」は、戸塚・南・磯子の各区で月1回フードパントリーを実施。保管場所はレンタルルームを借り(※取材時)、賃料は他の利用者と同じで、優遇措置はないという。②「お福わけの会」は、瀬谷区の2つのNPO法人が連携し、毎週ひとり親世帯を中心に食品を配布。また、「NPO法人さくらんぼ」では、マーケット方式の来店型フードバンク「くろーばーマーケット」も週2回開く。③「TIEトマトマの会」は、外国にルーツのある中高生の日本語・学習支援に取り組む。居場所として交流会なども開く。④「ふれあいっこ三ッ沢」は、コロナ禍で開けない子ども食堂に代わり、ハロウィーンやクリスマスに食品頒布会を開く。援助成』などの事例があり、JA横浜による『子どもの未来支援助成』は5例目です」他の事例と比べて、特徴は何でしょうか。「私たちの助成は県域を対象としていますが、今回は初めて地域を限定し、横浜市で活動する団体が助成対象になることです。また、昨年9月に相談を受け、実施まで1年以上の準備期間があったことで、十分な話し合いができ、お互いの理解が深まりました」―3分野で助成の上限額に違いがあるのはなぜですか。「フードバンクには行政の支援がありません。しかし、保管場所や冷蔵庫、車など、他の分野より経費がかかるので、上限を高く設定しました。分野の分け方や上限金額については議論に時間をかけました」―JAにどのようなことを期待されますか。「JAなので、食による地域貢献は自然な流れだと思います。助成後の連帯、例えば子ども食堂やフードバンクへの食材提供など、地域内での支援の日常化が進むといいですね。助け合いの精神がある協同組合が社会に果たす役割に、大いに期待しています」①市民同士が  ささえあい    分かちあう②③―  令和4年10月26日に開催の創 ― 市民基金の概要 ―所 在 地:港北区新横浜2-2-15     パレアナビル6F電  話:045-620-9044 設立年月日:平成25年4月25日寄付総額:200,489,669円(令和4年7月末日現在)市民活動の現場をJA役職員が視察 助成プログラムを作成するにあたり、何よりもまずJA側が市民活動の現場を知る必要がありました。過去に市民基金の助成成績があり、「子ども食堂」「フードバンク」「学習支援」の各分野で活動する5団体を、役職員が視察。職員からは、「子どもの貧困という社会問題が現実として数多く存在することに驚いた」「貧困が連鎖するという話を伺い、すべての子どもに公平な機会を提供するためにはどうすればよいのか考えさせられた」などの感想が聞かれました。支援する側にも地域の課題と本気で向き合う覚悟が必要であることを共通認識として、施策立案に臨みました。

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る