JA横浜 vol.235
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【写真2】ヤノネカイガラムシ雌【写真3】ヤノネカイガラムシ雄【写真1】ルビーロウムシ さなぎせん てい【写真4】ミカンハモグリガ被害葉ふ  かしんしょう土や緑とふれあう暮らし緑の情報箱かんきつを悩ます害虫や病気(特徴と対策)技術顧問 北尾 一郎(2)ヤノネカイガラムシ〈虫の形態〉・茶褐色で4〜5㎜の矢尻状の殻を被っているものが雌〈防除対策〉・防除対策は、ルビーロウムシとほぼ同様です。・JA果樹部防除暦に掲載の農薬は次の通りです。収穫前日数などの使用基準は、ラベル等で確認してください。マシン油乳剤による防除が有効です。・耕種的防除として、春の剪定で混み合った部分の枝を間引いて、風通しの良い樹体にしておくことが大切です。成虫(写真2)。果実にも葉にも寄生します。・写真3のように主に葉の裏で白い分泌物を被って寄生しているのが雄の蛹です。〇12月下旬〜1月中旬 「機械油乳剤95」30倍、「ハーベストオイル」80倍、「ス〈虫の形態〉・暗赤色(ルビー色)で直径6㎜ほどの半球型をしています。・緑枝や葉に寄生して汁液を吸っています。・糖分を含む液体(甘露)を排出するので、それがかかった葉や果実に「すす病」が発生しやすいです(写真の葉の部分)。〈防除対策〉・写真の状態(成虫)で上から殺虫剤を散布しても効果はほとんどないため、ロウを被っていない幼虫が発生する7月上旬〜下旬に殺虫剤を散布します。・カイガラムシの成虫全般には12月下旬〜1月中旬のプレーオイル」80倍など〇夏の防除 「アプロードエースフロアブル」1000倍、「オリオン水和剤40」1000倍など〈虫の形態〉・夏枝や秋枝の柔らかい新葉に産み付けられた卵から孵化した幼虫が、葉の薄い表皮の下を這いながら食害します(写真4)。その様子から「エカキムシ」などと呼ばれています。・幼木では新梢の伸びが止まってしまうので、樹体が大きくなりませ1.ロウムシ、カイガラムシ(1)ルビーロウムシ2.ミカンハモグリガ近年、多くの方がかんきつを植えています。何年かたつと少しずつ結実するようになります。時折、果実の汚れや葉の異常、急に枯れるなどの相談を受けることがあります。病害虫に対応した農薬はいろいろあっても、目の前の状態が何病なのか、何という虫の害なのかを判断するのはなかなか難しいものです。今回は、少し大きめの写真で特徴と対策を説明します。

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