Agri横浜 vol.223
5/13

❶❷❸❶❸農×ファッション食から暮らしを豊かに 横浜駅西口直結の商業施設、ニュウマン横浜にあるショップ「2416MARKET」では、「食をファッション化する」という新しい切り口で、横浜や神奈川県内の農産物を販売しています。同店の2416とは県の総面積2416平方㌔のこと。「もっと地元が好きになる」をコンセプトに、地元に愛されている商品を扱い、神奈川の魅力を(株)ルミネの視点で編集・デザインし、横浜駅から発信します。 (株)ルミネでは数年前から、都会と畑を結びながら、食の出会いと学びの機会を作る「LUMINEAGRIPROJECT」を実践。都会で暮らす女性に向けて食の文化を啓発するため、新宿などで定期的にマルシェを開くほか、同店内に常設コーナーを設置しました。 同店マネージャーの武田和香子さんは、青果の仕入れを担当。長年バイヤーとして食品の流通に携わってきましたが、地方産地との取引が多く、横浜野菜と関わるきっかけがなかったといいます。 昨年11月に市などの協力のもと、「横浜地産地消フェア」を開催。これを機に十数人の生産者とつながり、取引が始まりました。初めて横浜野菜を見たという来店客も多く、アンテナショップ的な機能も果たします。武田さんは、「鮮度も味も抜群な横浜野菜で、食生活が豊かになれるような提案をしていきたい」と話しています。底には、デザインやさまざまな企画を通して社会的な問題解決に少しでも貢献し、横浜に暮らす人の毎日が楽しいものになってほしいという願いがありました。 横浜の野菜や農業に着目するきっかけとなったのが「おでん」。地場野菜でおでんを作り、その魅力を伝えることで自分が住む街を好きになってもらおうと、カフェのスペースを間借りして1日限りのおでん屋を開くことを考えました。 しかし、生産者との接点は一切なく、市役所を介して人脈を広げていきました。それ以降、日々の暮らしに欠かせない食や、食を支える農業をテーマとした自主プロジェクトを重ね、今では業界の垣根を超えて生産者や料理人など多くの賛同者を呼び込んでいます。 本業のデザインでも、JA横浜「よい食宣言」のリーフレット制作なども手掛けました。浅野さんは、「デザインを通して人を笑顔にすることが社の理念。地域に根ざす農業の価値を再認識してもらうため、ノガン流のアレンジを加えて面白く伝えていきたい」と話します。ルミネによる新しいマーケット❶お洒落に演出された常設コーナー。出荷者の一人、戸塚区の小宮藤康さんは昨年の地産地消フェアに出店し、それから週2回ほど納品するように。武田さんは「野菜目当ての来店客が増えた」と、手応えを実感する❷一人暮らしの女性向けに、かわいらしくブーケ状の包装にするなど、売り方を工夫❸ニュウマン横浜のニュウマンガーデンで実施したマルシェ。市内外からこだわりの生産者が出店した(令和3年5月)マネージャー 武田和香子さん2416MARKET❶❷❶横浜駅西口の工事用仮囲いのパネルから横浜の食と農の魅力を発信した「have a yokohama」(平成30年)❷泉区の飲食店「ど根性キッチン」の企画コンサルティング、空間ディスプレイ、インテリアデザインなどを担当(平成28年)❸塗り絵ができるJA横浜「よい食宣言」のリーフレット(平成30年)2416MARKET ●住 横浜市西区南幸1-1-1 ニュウマン横浜 6F ●時 11:00〜20:00(短縮営業時)

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る