Agri横浜 vol.211
8/13

元々、会社勤めをしていた川戸さんは、結婚後に妻の佳菜子さんが父の農作業を手伝う姿を見て、就農を決意。昨年7月に就農し、すぐに父から営農を引き継ぐことになった。当時、主力品目はホウレンソウと小松菜で、販路は市場のみ。農業収入の増加を目指し、最初に取り組んだのが販路の拡大だった。市場出荷と並行し、自宅に直売所をオープン。自家消費用に作っていた野菜を販売することにした。しかし、自宅直売だけでは売り切れなかったため、JA「ハマッ子」直売所みなみ店や地元スーパーにも出荷するようになった。これに伴い、現在は年間18品目の野菜と果実を生産している。栽培品目を決める際に重視するのは、「よく売れる品」であること。出荷先の担当者から客の動向や店側の要望を聞き取り、参考にする。最近は、海外品種など珍しい野菜も注目を集めているが、ブームに影響されない「定番野菜」を基本に、安定出荷を目指す。「店からは、果菜類と葉物の出荷依頼が多い。中でもキュウリは売れ行きが良いので、初夏から秋ごろまで収穫できるよう、段階的に栽培している」と話す。需要の高い野菜を他の生産者と時期をずらして出荷するため、夏場にハウスでの栽培に取り組む。キュウリのほか、今年は秋どりのトウモロコシに挑戦している。「知人の農家に勧められた。お客さんからの評判も良いと聞き、作ってみることにしたー」。トウモロコシは、気温が下がることで糖度が高くなる販路の拡大に注力川戸直樹さん(39) 戸塚区東俣野町夏場のハウスで抑制栽培きれいに育ったハウスのキュウリを収穫 藤沢市境に流れる境川沿いの高台にある畑で、野菜とブルーベリーを生産する川戸農園。園主の川戸直樹さんは、妻と共に将来の営農について考え、就農初年度から販路や栽培品目の見直し、観光農園化など、次々に挑戦してきた。目まぐるしく変化する環境に対応するため、日々情報収集に励み、都市農業の強みを生かした新たな営農スタイルの構築を目指している。需要見極め長期出荷に注力収穫期ずらした野菜を目玉に

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る