JA横浜_Agri横浜Vol.258
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県内農業の発展にも注力右左上左下かなせぶん店の地場産コーナーに彩りを加えたいと考えたという。同時期に知り合いのシェフから希少品種の栽培依頼を受けたことも後押しに。「UFOズッキーニ」やフレンチで使われるカブ「ルタバガ」の栽培が、今の営農スタイルを築く第一歩になった。品種は農家仲間やインターネットから情報収集し、目に留まったら試作を繰り返した。当初は面白さを重視していたため、売れないこともしばしば。ここ数年で消費者と飲食店からの需要のバランスを考え、変わり種野菜の品種は徐々に絞り込みを進めている。味が想像できるものは手に取りやすく、料理にも華を添えられるため、両者からの評判は上々だ。ほか、新潟県の在来品種「神楽南蛮」、白や黒色のカボチャ、スペイン原産の唐辛子「パドロン」、メキシコ原産の「ハラペーニョ」の収穫が最盛期を迎えていた。8月には市内では生産量の少ないパイナップルが始まり、9月からは紫色のキャベツや温室でのパプリカなどの準備を進めていく。対面販売や店内広告(POP)で、手に取ってもらえる。消費者が身近にいる都市農業の強みを最大限に生かし取材した7月は、定番の夏野菜の平本さんは「見慣れない野菜でもていきたい。形や色の違う野菜を見て、食べて、楽しんでほしい」と話す。県内の農家11人のグループ「神七」の一員としても活動をしている。「神七」は神奈川県の7人の百姓の略。結成は平成27年で、平本さんら市内の農家3人の交流から始まり、「何か面白いことをしよう」と意欲的な農家を紹介し合い、7人が集まった。親元就農や農外からの新規就農、農家に婿入りした人など経歴はさまざま。現在は加入者も増えて横浜、横須賀、相模原、伊勢原、小田原市の農家11人で活動を展開する。メンバーの栽培品目は野菜や果樹、キノコ類など合計200種類以上あり、それぞれが企業や飲食店との独自のパイプを持つ。この強みを生かして即売会や試食会の開催、七味や肉まん、ラー油などの加工品も開発。県内で生産される豊富な農畜産物を発信し続けている。平本さんは「県内の農業を盛り上げたいのが一番。若手が就農したいと思える環境を作っていくことも役目だと思っているので、今後も神七の活動の幅を広げたい」と前を向く。パドロンの収穫を進める平本さんトマトは5品種を栽培する5月には県内農家ら140人以上が参加したイベント「百姓一希2024」を主催した神七のメンバーら

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