ほじょうを進め、作業効率向上を図ります。就農した際、電話やファクスが中心の取引やペーパーレス化が遅れていることが課題だと考えました。博樹さんは、作業履歴を全てクラウド上で管理。デジタルで残した情報は、自身の経営管理に生かすだけでなく、同業者や後継者となる次世代との効率的な情報共有につなげていきます。 「デジタル化に抵抗がある人も多くいると思うが、使用するメリットや効果を同業者へ積極的に伝えていきたい」と話します。 都筑区の東方農業専用地区内にある畑で、露地野菜を生産する渥見太一朗さん。6年前に就農し、自身の経営スタイルを確立するために日々模索しています。 大学卒業後、スーパーの青果担当として働いていた太一朗さん。「農業に直接的に関わってはいないが、売り場の様子を見ることで価格変動や消費者のニーズを自然と学ぶことができた」と話します。いずれ家業の農業を継ぐという思いを抱いていたことから、体力がありハングリー精神も旺盛な今が良いタイミングと考え、仕事場を畑に変えました。 渥見家では、父・勇さんの代まで小松菜やホウレンソウなどの葉物野菜を専門に栽培していました。就農後すぐに経営を任された太一朗さん。情報収集は仲間の圃場やJA「ハマッ子」直売所に足を運ぶほか、参考書やインターネット記事を活用。「作付け時期やネットの張り方、病害虫の予防法など良い技術を間近で見て学んでいった」と話します。 年間で約20品目の野菜を手掛け、中でも夏の主力・エダマメは太一朗さん自慢の品。「湯あがり娘」「陽恵」など4品種をリレーし、6月から9月にかけて出荷します。 栽培では、有機質が多く含まれた肥料を加えることや、品種ごとに施肥量を変えるなど日々実験を行い、生産量増加を目指します。「毎日野菜の生長を考えながら仕事をするのは、趣味に近い感覚。大好きだったサバイバルゲームもやめるくらい農業に没頭している」と笑顔を見せます。 太一朗さんの出荷先は、JAや青葉区大場町の商業施設にある直売所など。午前4時に収穫を始め、朝8時までに店頭に並ぶよう準備。鮮度によって実の光沢や食味が全く異なるため、新鮮さを求めて来店する消費者が多い直売所に狙いを定めました。全量引き受けの市場とは違い、直売所は当日中に売り切れない品物を回収する必要がありますが、鮮度にこだわりを持つ太一朗さんの野菜は、高値設定でも完売するほど好評です。「プライドを持って作っているので、高値でも手に取ってもらえることがうれしい」。 今後は、品質を保ちながら作付面積や販路の拡大を目指し、「楽しみながら良いものを作る」という経営スタイルの確立を進めていきます。花苗の品質を確認する博樹さんエダマメの収穫をする太一朗さん父から受け継いだ農業を自分流に野 菜趣味「農業」になりました直売所1本で勝負農業の楽しさを追求都筑区池辺町 渥見太一朗さん (38) 平成31年度修了生
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