JA横浜_Agri横浜Vol.258
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土や緑とふれあう暮らし緑の情報箱シマトネリコの葉技術顧問 福井 英治横浜スタジアム脇に植栽されているアオダモ。表示板には「バットの木」と紹介せん てい近年、山に自生している「アオダモ」を用いた雑木の庭が多くなり、注目を浴びるようになりました。清らかな美しさと株立ちの仕立てが人気です。また、煙のように咲く春の白い花にも風情があります。アオダモは、モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹です。モクセイ科といわれてもピンとこないかもしれませんが、最も身近な樹木は秋に小さなオレンジ色の花が香る「キンモクセイ(モクセイ属)」や庭木や観葉植物として人気のある「オリーブ(オリーブ属)」がおなじみです。トネリコ属は北半球の温帯を中心に約70種あまりが分布しています。大半が落葉樹ですが、まれに常緑樹があります。その常緑樹の代表が観葉植物でもおなじみの「シマトネリコ」です。常緑性の観賞樹で照りのある鮮やかな葉は明るい雰囲気があり、インテリアの観葉植物や庭木として人気があります。 全国に分布し、樹高は5〜15mほどです。大きく育つにつれて灰色の木肌にシラカバのように白の模様が現れるのが大きな特徴です。樹形の自然な雰囲気を生かして、庭木などの植栽によく使われます。 こまめな剪定をし特徴のある白い模様なくても自然に美しい樹形に出来上がるのが特徴で、緩やかな曲線を描く枝は観賞価値が高く、雑木林風の庭を目指す人たちかモクセイ科とトネリコ属アオダモの特徴ら人気があります。木漏れ日を受けたしま模様は、とても美しく爽やかさを感じさせ、雑木の庭や中庭で引き立ちます。幹に模様を持つ木は少ないので、自然風な庭を造りたい場合、アオダモは特別な存在といえます。―品評会でも大人気―市内や県内の競りでとても人気があり、常に高値で取り引きされています。自然に幹が複数本育った山採り品と、太い幹を地際でカットして複数本の幹を株立ち仕立てにした2種類が流通しています。アオダモのもう一つの特徴は、材の性質を生かして野球のバットの素材に使われていることです。アオダモで作られたバットは人気が高く、あのイチロー選手も愛用していました。《アオダモでできたバットの特徴》①軟らかい②しなりがある③耐久性が高い④軽い⑤弾力性があるメジャーリーグでは日本とアメリカの気候の違いから、同じ仲間でアオダモより硬く反発力があり、北米東南部に広く分布する「ホワイトアッシュ」やカエデの仲間の「メープル」を使っています。大谷翔平選手は数年前から、アオダアオダモとバット人気樹種「アオダモ」の魅力

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