JA横浜_Agri Vol.246
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自分の色を見出す時代に合わせた経営に花農家の道に進んだ加藤佑太さんは、冬のシクラメンと夏のポーチュラカを主力にする。今年、生産技術の向上や経営の安定を図る日本花き生産協会の理事に選任。県の園芸協会では「2027横浜国際園芸博覧会」の担当として活動している。温室から都内のビル群が見渡せる高台に位置する加藤園芸。結婚を機 かきラカの出荷作業に追われていた。梅雨時でも園芸を楽しみたい消費者向けに栽培する夏場の主力商品で、購入後にそのまま飾れるつり下げ型の鉢物で出荷する。カラフルな見た目が〝映える〟と人気を集め、管理作業が楽なことも魅力。価格帯の手ごろさも相乗効果を生み、市場からの注文数も増えている。継ぐ形で10年前に就農した。米農家に生まれ、花卉栽培の経験はないため最初の1年は義父からノウハウをたたき込まれた。5年目から花苗を一人で任されるようになったが、株が生育せずに納められなかったことも。この悔しさを成長の糧にし、日々の花作りに励む。6月下旬、加藤園芸ではポーチュ加藤さんは結婚を機に、妻の家を就農当初はポピュラーな品種を多く作ることで収益を上げていたが、売れ残りが悩みだった。そこで単位面積当たりの収益率の高さと園芸愛好家の趣向に合わせて高級品種に切り替え、生産量を調整。リスクはあったが、園芸初心者にも耐病性や花が長持ちすることを説明すれば売れると考えた。花苗は、ほぼ全てが園芸店との契約栽培。園芸初心者が見た目から入れ、育てやすいものを中心に生産する。特にペチュニアは八重咲きの他に、一重咲きで花色が青で希少性のある「ブルーサファイア」や、ハートの模様が入っている「クイーンオブハート」などをそろえる。一般的な品種の2倍ほどの売値だが、近年の園芸ブームが後押しになり、出荷量が追い付かないほど注文数が増加。着実に収益につなげていった。神奈川区片倉加藤 佑太さん(36)濱農浪漫義父を継ぎ花の道へ普及活動にも尽力

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