JA横浜_Agri Vol.246
11/12

土や緑とふれあう暮らし緑の情報箱技術顧問 青木 隆夏から続く暑い日もそろそろ一段落という時期になったかと思います。今年の長期予報では残暑が続くとされていますが、秋は収穫を迎える果樹が多くあります。今回はカキ・キウイフルーツ・カンキツ(温州ミカン)など、収穫を迎える品目の管理作業等についてお伝えしたいと思います。10月下旬から11月に入ると多くの品種が色づき、成熟して収穫期を迎えます。渋柿で渋抜きをする場合は、ヘタが緑色の健全な時に収穫すると渋がよく抜けます。渋抜きにはいろいろな方法がありますが、家庭で行うには次の方法が良いかと思います。<渋抜きの方法>皿などに焼酎(35度くらいが良い)を入れ、ヘタを漬けてください。それらの果実をビニール袋に入れて密封します。その際、空気を抜いておく方が良いでしょう。数が多い場合には段ボール箱にビニール袋(ゴミ用のポリ袋で良い)を広げ、カキのヘタ側を上にして並べます。霧吹き等でヘタに焼酎を噴霧し、密封します。暖かいところで4〜5日程度おくと、渋が抜けますが、品種・状況によってはもう少し日数が必要な場合や、渋が残る場合もありますので、注意が必要です。〇肥料10月には果実をつけて栄養を消費した樹の栄養を補給する意味もあり、肥料を施します。目安としては化成肥料を1kg程度まいてやります。その後、12月に元肥をまきます。堆肥や油粕などの有機質肥料が良いでしょう。これらを1本当たり5〜10㎏を目安に樹幹の外側にまきます。カキ〇収穫〇植え付け苗木を植え付ける場合、11月から12月にかけてが最適な時期とされています。植え付けに当たり、植穴を掘る場合は直径80㎝、深さ30㎝程度掘ります。植穴に堆肥などの有機物を入れてやり、埋め戻したのち10〜20㎝程度盛り土をし、ここに苗木を植えます。その中で、根を広げるように植えてください。また、接ぎ木部分が出るよう、深植えしないようにします。苗木が長い場合は60㎝程度に切り、支柱を添えてください。キウイフルーツの場合、外観からは収穫期が判断できず、また収穫してもすぐには食べられないので、追熟という作業が必要になります。収穫期の目安としては、「ヘイワード」などの果肉が緑色の品種は11月中旬、黄色や赤色の品種は10月下旬から11月上旬とされていますが、樹上にならせておいた方が食味が良いとされていますので、遅くても良いでしょう。ただし、落葉するころまでというように極端に遅くなると樹体に悪影響も出ますので、11月いっぱいには終わらせると良いでしょう。収穫は、樹についた果実を一斉に収穫することが基本です。ハサミなどを使わずに手でもぎとれます。果実を優しく握り、下にねじると簡単に外れます。果実に傷がつくとすぐに追熟が始まり腐りやすくなるので、収穫は注意を払いながら丁寧に行ってください。〇追熟キウイフルーツは一般的には樹上で熟すことがなく、そのままでは硬くて酸味が強い状態です。そこで、エチレンという気体に触れさせることでやわらかくします。キウイフルーツ〇収穫秋の果樹の管理について

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る