JA横浜 vol.224
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心強い果樹部の結束を立て、改善を繰り返しながら技術の向上を目指した。「分析をしないと気が済まないのが自分の性格。可能な限り真因を追求したい」と、開発職の気質をのぞかせる。水」「豊水」「秀玉」を40㌃で栽培。そのほか、柿とキウイフルーツを手掛ける。土作りに関しては3年目から任されている。JA果樹部員や技術顧問からのアドバイス、インターネットと専門書などを駆使して情報を収集。新たな手法を導入した際のメリット、デメリットを考えるのが日課になった。まず取り掛かったのが作業方法の見直し。肥料散布機で効率化を図り、樹一本一本の生育具合や樹齢によって必要な養分が違うため、手作業で調整する。自動車部品の製造現場のように分量や回数を細かく管理することで枝の伸び、葉色や厚みが向上。結果に現れたことが自信にもつながった。園は住宅地に囲まれ、生活道路が縦横に通る。住民への十分な配慮が必要で、農薬散布の際は特に注意を払う。作業時は母親が外で番をし、通行人の有無をトランシーバーで伝えるなど家族で密に連携をする。「栽園の敷地は80㌃。主力は梨で「幸都市農業ならではの悩みもある。培だけでなく、この地で農業を継続していくための工夫も模索している。騒音にも気を配り、農機の使用も時間帯を考えている」と話す。2年前から梨の樹の改植も進める。これまで以上に顧客のニーズに応えるため、人気品種の「幸水」を主体とした栽培レイアウトに変更。改植と収穫ゾーンを上手くローテーションさせて収量をなるべく落とさずに早期成園化を目指す。「浜なし」は平成27年にJAが商標登録。3年前にかながわブランドにも登録され、年々商品価値を高めている。「先輩たちが築き上げてきたものを守っていかなければいけない。次代につないでいくのが自分たちの役目」と話す。高い志を維持できるのは果樹部の存在が大きい。技術を惜しげもなく教えてくれる先輩が多く、次世代を育てる環境がある。石川さんもこの中で同世代と切磋琢磨してきた。「自動車部品と違い、農業は毎年違う環境で作る難しさがある。どんな状況にも臨機応変に対応する面白さが、最近になって分かってきた」と、笑顔を見せる。㊧幼木の誘引作業にも余念がない㊤(後列左から)知成さん、妻・裕子さん、母・郁子さん、父・和男さん(前列左から)次男・陽琉くん、長男・蒼将くん、㊦非破壊糖度計を使い納得のいく梨だけを販売そう  まは  る

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