JA横浜 vol.224
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農業に励む石川知成さん。Uターン就農し、前職の開発者気質を発揮してより良い栽培手法を探るとともに、JA果樹部の仲間と技術を高め合う。園は市街化区域にあり、白い多目的防災網が目を引く。周辺住民に配慮した生産を心掛け、地域に理解され、支持される都市農業を実践する。瀬谷区の西部で梨を主力に生産する石川果樹園の2代目として、両親と基礎の重要性に気づく原点は「モノづくり」月上旬、石川果樹園の直売には消費者が連日行列を作っていた。今季は授粉後の低温や長雨の影響で新梢の伸びが心配されたが、6月以降は天候が回復したことで順調に生育した。父・和男さんの代で始めた果樹栽培。当時、高校生だった石川さんは部活動の傍ら、選果などを手伝った。「継ぐことを意識し始めたのがこの時期だった」と振り返る。につけてほしい」という両親の思いもあり、理系の大学を卒業後に自動車部品メーカーに就職。開発職として7年間経験を積み、32歳で就農。ノウハウは両親やJAのUターン・新規農業後継者講座で学んだが、出席した果樹部の講習で自分の基礎知識の足りなさに気づかされた。「技術「浜なし」のシーズンが始まった8「一度社会に出て、広い視野を身は見て学べたが、飛び交う専門用語が理解できずに不安が大きくなった」と話し、翌年から神奈川県立かながわ農業アカデミーに通うことを決めた。ここで今でも師と仰ぐ藤沢市の農家との出会いがあった。研修先として紹介され、石川さんとほぼ同じ経歴だったことで意気投合。「自動車部品も果樹も同じモノづくり。基礎が大切」と教えられ、1年かけて農業の基盤を築いた。就農した時から毎日の栽培状況や失敗はノートに記してきた。これは会社員時代から変わらない石川さんのルーティンだ。失敗に対しては〝なぜ〟を5回繰り返すことで原因を究明した。継続的な業務改善手法の一つPDCAサイクルに基づき現状を把握することで的確な栽培計画とも なり瀬谷区橋戸石川 知成さん(40)濱農浪漫開発職の気質分析と改善の梨作り

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