Agri横浜 vol.222
6/11

モノ作りから果樹づくりへ大曽根達也さん(69) 青葉区寺家町害虫対策に苦心まずは基本通りに夏本番の7月下旬、園には大玉に無事育った「なつみず」を収穫する大曽根さんの姿があった。行き届いた管理が評価され、平成21年度には神奈川県果樹立毛共進会で県知事賞、昨年は2位になり、園の評価を高めた。JAの北尾一郎技術顧問は「樹勢管理や着果のバランスが良い」と称える。大学卒業後、エンジニアとして30年ほど建設機械の設計などに携わっていた大曽根さん。就職当時、父は野菜や養鶏を主力に農業を営んでいたが、自身は休日に力仕事を手伝う程度だった。昭和46年ごろからの市のフルーツパーク設定事業を機に果樹に転向。町内の農家3戸と共に梨の栽培を始めた。大曽根さんが就農したのは52歳の時。「寺家町は農業振興地域。父が亡くなり、今度は自分が農地を守らなければいけないと思った」と振り返る。当初、ダニ剤の散布がうまくいかず、実に害を及ぼすハダニの発生に悩まされたという。葉を一枚一枚確認しながら手でつぶしたり水をかけて対策をしたが、成果が出なかった。ここから試行を重ね、主成分が食品添加物で自然にやさしいダニ剤の導入で被害を軽減。「天候など栽培環境は毎年変わる。今まで通りでは駄目で、新しいことに挑戦する勇気も必要」と、その改善意欲が高品質につながっている。現在、田畑合わせて90㌃を管理し、そのうち梨は30㌃。「幸水」「あきあかり」「豊水」など5品種をリレーさせ、収穫は9月中旬ごろまで続く。「基本に忠実がモットー。そこから自分に合った栽培スタイルに24時間点灯させる黄色LEDの防蛾灯 里山の風景が豊かな農環境を特徴づける青葉区寺家町は、果樹栽培が盛んな地域。園の目印になる青い防鳥網が町に溶け込んでいる。その中に「浜なし」を主力に栽培する「大曽根園」があり、大曽根さんは長男・裕樹さんと共に農業に励む。最新技術の導入には常にアンテナを張り、最近では市内でもいち早く黄色LED(発光ダイオード)防蛾灯を設置した。講習会の指導通りに管理されたほ場にはJAの技術顧問も一目置いている。基本に忠実な梨作り確かな技術を県が評価

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る