JA横浜_Agri横浜Vol.257
7/12

り組みに、多くのことを学んだという。豊田さんが所属する野菜部新田支部では毎年、野菜立毛品評会に先立ち予選会を実施。県農業技術センターの技師や営農技術顧問らを交えて管内を巡回してきた。「専門家のアドバイスは貴重な情報だし、キャリアを積んだ部員の畑を回るとそれぞれの創意工夫を知ることができ、良い刺激になっている」。良雄顧問のアドバイスで「二本仕立て」に取り組んでいる。側枝2本を誘引して生長させる栽培手法で、1本の株からより多くの収量が望める。育苗期に主枝を摘芯するため、定植後の管理は誘引する側枝のみでよくなり、管理・収穫作業の省力化も期待できるという。「良いと思ったことは何でも取り入れている。これからも挑戦を続けていく」。区にある青果卸売会社に出荷され、市内小学校の給食食材として卸されるほか、近隣の小売店で販売される。先代が長年にわたって築いてきた販路だ。「古い付き合いで、多少の無キュウリの栽培では昨年から、山田豊田さんが生産した野菜は、都筑理も聞いてくれる。この信頼関係はいつまでも大切にしていきたい」。一方、引き継いできた経営手法は少しずつ、環境変化に合わせながら自分のカラーへと塗り替えてきた。ダイコン、カブなどの冬野菜はかつて、需要が高まり相場も良くなる年末に向けて作付け、まとめて出荷していたが、まき付けの時期を分散して春先まで収穫できるよう改めた。「量が集中すると作業にも無理が生じる。夫婦二人でできることはおのずと限られているし、40代のころの考え方では、この先続けられないからね」。若い頃、アメリカンフットボールで鍛え体力には自信があるという豊田さんだが、年齢を重ねた先を見据え、持続できる経営を模索する。作としてヒマワリを植えた。雑草予防と緑肥の効果を考え、初めの数年は種をまいてきたが、今は自然に伸びて花を咲かせているという。畑に咲きそろうヒマワリは一帯の夏の風物詩となり、近所にも好評だ。花を愛でに遠回りをして、足を止めていく人も少なくない。ヒマワリを通じて生まれた地域との触れ合い。これもまた、豊田さんが地道に取り組んできた農業経営の価値ある産物に他ならない。独自の経営手法も導入右上下右下左農作業は妻・育代さんとの二人三脚夏空に映えるヒマワリの花収穫したキュウリを再チェック。長さ、太さとも見事にそろった立毛品評会では審査員の厳しい目が注がれた10年ほど前、約4㌃のカブ畑に裏

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る