SNSで集客図る右上 せん ていのはよせ」と。延び延びにはなったが、盛大な送別会で惜しまれながら40歳で退職し就農した。農業の「の」の字も知らないまま、空調の効いた屋内から屋外へ。それが今ではファッションの「ファ」の字もなく、営農に打ち込む毎日だ。身、自宅周りは父が担う。栽培のノウハウは父譲り。JAの「Uターン・新規農業後継者講座」を受講し、地元の先輩のもとで研修も受けた。父の代に販路を市場から直売に転換。栽培品目を引き継ぎつつ、毎年1つは新しい品目にチャレンジする。ぬかと「ハマのありが堆肥」。市内の産廃業者が製造する、外食産業や学校給食の残さ、コーヒーかす、剪定枝などの生ゴミを発酵させた堆肥だ。肥料成分は微量だが、給食残さが入っているので、児童向けの「話のネタになるかも」と、使い始めた。菜を納入し、その縁で畑の見学などを受け入れる。その際、残した食べ物が土の栄養になり、また野菜が育つという資源の循環を分かりやすく説明。食農教育という形で、「母校に恩返しができているかな」と、うれしそ労働力は1・5人。生産緑地は自土づくりに使うのは、牛ふんと米近所の小学校2校に給食用の野うに話す。就農後、自宅裏にあった無人直売所を畑に移し、対面販売に切り替えた。前職で磨いた接客の技を生かすためだ。畑で作業しながら、来店客の姿が見えれば売り場に戻る。何気ない会話から消費者ニーズを聞き出し、新品種導入の参考にする。JA鶴見支店の一角で行う直売にも参加。支店管内の農家6軒が荷を持ち寄る。30代が4人、40代が2人と、世代交代が進み、そこでの会話は刺激になるという。新規客の獲得にはSNSを活用する。インスタグラムは直売日前日の午後9時ごろ、閲覧数が最も多い時間帯に更新。販売品目を告知するほか、西洋野菜など食べ方が知られていないものは、妻に料理を作ってもらい写真をアップする。日々の食卓には、自身が作った数々の野菜が並ぶ。長男・長女は大の野菜好き。家族から、そしてお客からの「おいしい」の一言こそ最大のモチベーションだ。今日もどこかの家庭の食卓で、小塚さんの野菜を話題に会話が弾むに違いない。下ズッキーニを収穫。カラフルな野菜は直売に必須商品の陳列にも前職の経験が生きる。人の目線は左から右へ動くので、左側に売れるものを置くというセオリー飲食店からの注文にも対応。喰いもんや「さいたまや」の石川雅史さん㊨は、小塚さんが作るエダマメしか店で提供しないというこだわりぶり
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