Agri横浜 vol.211
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籾山さんは19㌃の園で、約300本の管理をほぼ一人で担う。収穫期間が長くなるよう、品種は20種類以上をリレーする。大粒のハイブッシュ系が約100本。残りは、7月から8月に摘み頃を迎えるラビットアイ系だ。週5日、観光農園としてお客を迎える他、直売やJA「ハマッ子」直売所瀬谷店などに出荷する。今では摘み取りのリピーターも増え、地域に浸透してきた。大学卒業後の7年間、中学校の教員を務めた。職場結婚し、今でいう「妊活」のため29歳で退職。家業の芝の生産を手伝った。昭和44年から生産を始め、最盛期は2㌶近く管理していたという。しかし、人工芝の普及もあって、平成以降の需要は減少の一途。高齢の母と二人だけで続けるのは難しく、生産を止めることにした。だが、農地は管理しなければならない。早くに父を亡くし、夫と長男は教職に従事。農業を担うのは籾山さんしかいなかった。平成22年頃から、一人でできる農業を考え始めた。漠然とイメージしたのがブルーベリーの観光農園。「作業負担が少なく、収穫はお客がしてくれる。これなら一人でもできそうだ」―始める前はそう思った。実際、植え付けから3年間は株を大きくするために実を成らせないので、「これは楽だ」と感じていた。その後に試練が待っているのだが……。ビジョンは固まった。知識と技ま 籾も山や広子さん(61) 瀬谷区下瀬谷軌道に乗る摘み取り園一人で農業を担うには夢の実現に向かってお客を迎え入れる前に、伸びた枝を剪定するみ瀬谷区下瀬谷を通る環状四号線の左右に広がる一団の農地。その一角に、籾山さんの「下瀬谷みのり農園」がある。女性一人でもできる農業をーと、選んだのはブルーベリーの摘み取り園。家族の協力を得ながら、かつてJAの女性農業者講座で発表した「わたしの夢プラン」を実現させた。管理作業に追われる毎日だが、開園から4年目を迎えた農園経営に手応えを感じている。ブルーベリーで一人農業夢実った摘み取り園

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