私たちが主に目にするJASマークには、平準化規格のJASマークで通称「一般JAS」と、生産方法などに特色のあるJASのうち、有機の基準に適合する製品に付ける「有機JAS」、有機以外の製品に付ける「特色JAS」などがあります。 有機JASマークは、登録認証機関から有機JASの認証を受けた事業者が、有機JASの基準に従って生産した有機農産物、有機畜産物、有機藻類とそれらを原料とした加工食品などに付けられています。事業者が有機JASの認証を受け、製品に有機JASマークを付けなければ、「有機」や「オ―ガニック」の表示はできません。 品位、成分、性能、その他の品質などがJASに適合している製品に付けられるのが、通称「一般JAS」（平準化規格のJAS）です。マークの下には検査した機関の名称が記されていて、第三者機関がしっかり審査した証拠になります。JASの中には等級のある製品もあります。その場合はJASマークに併せて等級も記されています。JASの格付が疑わしいなど、何かがあった場合には事業者を追跡できる体制が取られています。 特色JASマークは日本の伝統的な方法で生産された製品や、付加価値のある製品などについています。日本を象徴する「富士山」と、日の丸を連想させる「太陽」を組み合わせたデザインには「信頼の日本品質」への思いが込められています。このマークの製品には、手延べ干しめん、リンゴストレートピュアジュース、地鶏肉、熟成ハム類、熟成ソーセージ類、熟成ベーコン類、ノウフク製品、大豆ミート食品類などがあります。 食品や農林水産物に多く含まれる機能性成分などの測定方法を規格化したのが試験方法JASです。国際的な評価基準に基づいて登録を受けた試験業者が、これらの試験方法により試験を行った結果であること、つまり試験結果の信頼性を証明するための認証が、この試験方法JASマークなのです。このマークは、私たちが目にすることは少ないかもしれません。でも、企業は自社の生産技術などの強みをアピールできるので、販売戦略を立てる上で重要な制度といえます。 「ノウフクJAS」は、農業と福祉が連携して、障がいのある人が生産工程に携わった食品や観賞用植物の農林規格です。「ベジタリアン・ヴィーガンJAS」は、宗教上の理由などで肉や魚などの動物性食品を取らず、穀物や豆類、野菜などの植物性食品を取る人が適切に商品選択できるよう、ベジタリアンやヴィーガンに適した加工食品や、その料理を提供するレストランの基準を定めた規格です。
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