JA横浜_Agri横浜Vol.256
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でも法人化にこだわったのは、経営管理能力や対外信用力の向上といった一般的なメリットを重視した訳ではなく、単に「株式会社ってカッコいいじゃん!」という理由。まさに怖いもの知らずの若者で、思いたったら即行動という武内さんの性格を物語る。入れ、農場や販売店舗を拡大。磯子区洋光台の販売店「vivo本店」の他、ホームセンターや百貨店、ホテル悩まされた。店舗スタッフは短期間で急増し、全員と話せない状況が続いた。「売り上げが増えても利益が出ない。販売に力を入れすぎて生産がおろそかになっていることを痛感した」と振り返る。体制を見直し、本店以外の販売店舗を撤退。本店では生産もしていたが、生産と販売を明確に分け、経営の方向転換をした。げは伸びない」と、社内に花造園部を設置。「花で街を飾る」をコンセプトに、知識と技術を備えた出張販売に乗り出した。事業の主力は、根鉢つ等10店舗まで広げていった。設立から20年間は先行投資に力をしかし、資金繰りと人材管理には「店舗で待っているだけでは売り上きの花苗を吊り下げ式の容器に植え込んだハンギングバスケットだ。東京都の丸の内仲通りや上野公園での仕事を受注し、街を歩く人に花飾りの美しさを伝えた。空中に飾れば、それだけ花の消費が増える。このように新たな市場を拓くことを、武内さんは4次産業と捉え、農業者が生産・加工・販売まで一体で担う6次産業化と合わせて「10次産業化」を提唱。平成8年に日本ハンギングバスケット協会を立ち上げ、シェアの拡大に尽力してきた。新たな市場として、同部では壁面緑化にも力を入れる。一般的な緑だけの壁面ではなく、花を混ぜることで他社とは異なる独創性で勝負する。ソーラーパネルで発電し、自動潅水も可能にした。現在目を向けるのは果樹の栽培。「花とフルーツは心の健康には必要不可欠。それがあるから体の健康も保てる」と話す。農場では、ブルーベリー、リンゴ、イチジク等を試験栽培。今年9月には700坪の農地を取得し、本格的に観光農業に着手する計画だ。「消費者の心が豊かになるような事業を」という夢に向け、常に新しいことを発想し企画していく行動力は衰えることがない。右上左上右下右下左生産された花苗を販売する「vivo洋光台本店」ミスト冷房や2重カーテンによるハウス内の環境を整備遠隔測定装置で定点観測とデータ集積太陽の力で自動潅水する壁面緑化パネル試験栽培中のブルーベリー10次産業化実現に向けて

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