JA横浜_Agri Vol.244
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【写真3】ハマキムシ被害強中中強中強強弱技術顧問 北尾 一郎 品種 用途ルッカ油用ネバディロブランコ油用、受粉樹マンザニロ塩蔵用ミッション油用、塩蔵用オリーブは自家受粉しにくいので、1品種1本では果実がなりません(自家不結実性)。「ルッカ」は1本でも比較的結実しやすい品種ですが、栽培という観点では結実安含油率(%) 31.918.415.519.4耐病性自家結実性(%) 33.50.63.819.5熟期中早早晩【写真1】1年生苗木新植(令和2年3月)しん しょうか りゅう【写真2】新植3年後(令和5年2月剪定前)土や緑とふれあう暮らし緑の情報箱オリーブを育てる耐風性樹勢旺盛旺盛緩やか旺盛樹形中間形開張形開張形直立形平成27年(2015年)8月号で皆さまに「オリーブを楽しもう」というテーマで栽培方法の概要をご紹介しましたが、あれから8年が経過して横浜でも少しずつオリーブを目にするようになってきました。実際にオリーブを育てている状況の中で思わぬ病害などの問題も見えてきました。また、使用できる農薬も少しずつ増えてきました。それらの現状を踏まえて、育てるにあたってのポイント、注意点などをご紹介します。1.オリーブについてオリーブは、キンモクセイやジャスミンなどと同じモクセイ科の常緑樹です。自然に育てると樹高5〜10mもの大木になります。地中海生まれのオリーブは日当たりと温暖な気候(15〜22℃)を好みますが、冬にマイナス10℃を下回らない場所では露地栽培が可能です。むしろ、花芽ができるためには冬場の寒さにあたることが必要です。このため、気温の面では横浜での栽培は問題ありません。一方で、降水量の多さは栽培のネックとなります。年間降水量は500mm以上が必要ですが、1500mm以上だとやや栽培しにくくなり、2000mmを超えると栽培不適地となります。横浜市は、ほぼ1500〜2000mmの雨が降る地域ですので、決して適地とはいえません。雨が多いことは病気の発生に影響します。ちなみに瀬戸内の小豆島は日本を代表するオリーブの産地ですが、比較的雨が少ない地域です。栽培開始にあたってはそのような点を覚悟して取り組みましょう。2.栽培品種の特徴オリーブの品種は世界中には1000以上あるといわれています。さまざまな品種の苗木が販売されていますが、初心者はまずオーソドックスな品種を導入しましょう。小豆島では「ルッカ」「ネバディロブランコ」「マンザニロ」「ミッション」の4品種が主要のようですが、現在は「ミッション」が多いようです。これらの品種特性は次の表の通りです(農業技術大系果樹編から)。定のため、数品種の組み合わせが必須です。「ネバディロブランコ」は花粉が多いので混植した方が良いでしょう。土壌条件は、土壌の種類はあまり選びませんが通気性が良く、水はけが良いことを好みます。また、石灰を好むので植え付け時には炭酸カルシウムなどを施してください。オリーブは地際の部分が折れやすいので植え付け時はもちろん、成木になっても丈夫な支柱で支える必要があります。植栽間隔は5mを基本とし、10a当たり40本植えとなります。植え付けはカンキツと同様に厳寒期を避けて3月ごろが良いでしょう。生長は早く、写真1のように1年生の小さい苗木を植え付けても、丸3年で写真2のようになりました。なお、樹間に防草シートを張ると除草の手間が軽減されました。(2)病害虫〇ハマキムシ植え付けて新梢が伸びてくると、新芽の部分にハマキムシが発生します。生長点を食害されると、そこから先に伸びなくなり、二股三股に分かれて樹体が大きくなりません。もちろん葉がダメージを受けるので樹勢が悪くなります(写真3)。防除薬剤:「アディオン水和剤」(収穫7日前、2回) 2000倍「デルフィン顆粒水和剤」(発生初期ただし、収穫前日まで) 2000倍〇オリーブアナアキゾウムシ(写真4)オリーブに致命的な被害を与える代表的な害虫です。成木が急に枯れ始める場合は地際を食害されているこ3.実際に栽培してみる(1)植え付け

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