早早早中中晩多多無多多無少 17技術顧問 北尾 一郎ウメは梅干し、カリカリ梅、梅酒、梅シロップなどさまざまな用途に利用でき、古くから健康食品として日本の食生活に根付いてきました。梅雨を目前に、あちらこちらでウメの収穫が始まりますが、花は咲いてもほとんど実がならない、とお悩みの方がおられるかもしれません。果実をならせるためのポイントを紹介しましょう。*農文協「改訂ウメの栽培便利帳」を参考に作成ウメは古くから地域の中で花がきれいなものや実がよくなるものなどに、その地方の俗称として名前が付けられてきたこともあり、現代のように確立された品種ではない場合が多く、例えば「白加賀」でも地方によっていろいろな系統があるようです。いずれにしても、各品種の特性を把握しておきましょう。竜峡小梅、甲州最小を除く多くの品種は、「自家不結実性」といって自分の花粉や同じ品種の花粉では結実しない性質を持っています。また、「白加賀」や「十郎」は花粉自体を持っていません。毎年安定して果実を収穫するためには、それらの品種と開花時期が重なり、花粉を多く持った品種が受粉樹として近くにあることが重要です。例えば、「白加賀」には「梅郷」「南高」「竜峡小梅」「甲州最小」など、「南高」や「十郎」には「竜峡小梅」「甲州最小」などといった組み合わせが良いでしょう。また、ウメの開花時期は気温が低いのでミツバチなど昆虫の活動が少しでも良くなるよう、北風が吹き抜ける場所では防風対策も考えてください。北風が当たらない「陽だまり」のような場所の方がウメは結実しやすいと思います。品種紹介の中でも記載しましたが、「かいよう病」「黒星病」はウメの果実の2大病害です。かいよう病(写真1)は、黒褐色の病斑ができ、その周りに赤紫色の帯(ハロー)を伴います。病斑は果肉部にまで及びます。この病気は細菌病で、雨や強風で伝染するため、風当たりが強い畑で発生しやすくなります。花が終わった直後から4月下旬にかけて重点的に防除しま 1.ウメは1本1品種では結実しにくい2.かいよう病・黒星病について土や緑とふれあう暮らし品種名竜峡小梅(りゅうきょうこうめ)甲州最小(こうしゅうさいしょう)十郎(じゅうろう)南高(なんこう)梅郷(ばいごう)白加賀(しろかが)豊後(ぶんご)開花花粉中〜晩主な用途小梅(3〜5g)、自家結実性有り(1本1品種でも実がなる)、かいよう病・黒星病に強い、梅干し・カリカリ漬けに向く漬梅用小梅(5〜8g)、自家結実性有り(1本1品種でも実がなる)、黒星病に弱い、梅干し・カリカリ漬けに向く漬梅用漬梅用小田原特産、果皮が薄く梅干しに向く、受粉樹が必要(小梅など)和歌山特産の全国品種、かいよう病・黒星病に弱い、受粉樹が必要(小梅など)漬梅・梅酒兼用梅酒用白加賀の受粉樹に適す、果実は白加賀に似る、病気に強い、受粉樹が必要(小梅、南高など)関東の主要品種、花粉がなく受粉樹の混植が必須(梅郷、南高など)、黒星病に弱い漬梅・梅酒兼用アンズとの雑種、果実が非常に大きい、かいよう病・黒星病に弱い、受粉樹が必要漬梅用特性緑の情報箱ウメ結実のポイント
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