JA横浜_Agri横浜Vol.267
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れば、あとは自分でできる」と、よく言われるそうです。営農ヘルパーによる作業支援が、機械を持たない多くの農家の背中を力強く後押ししています。JA営農経済センター(泉区中田西)に軽トラックで乗り付けた美濃口輝尚さんは、泉区下飯田町でサツマイモやイチゴなどの収穫体験農場を運営しています。JAによる小型農機の貸し出しを利用して5年ほど。この日は高畝用管理機の借り入れを2日間にわたって申し込んでいました。借りた機械は、約20㌃のサツマイモ畑で、マルチの展張作00          業に使います。農機を自分で所有するほどでもない。JAの機種は新しいし、よく整備されているのでいつも重宝している」。美濃口さん方にも管理機はあるそうですが平畝用。アタッチメントを交換すれば高い畝にも対応できるものの「付け替えの作業は時間と手間がかかる。取り付け位置を正しく合わせるのも、けっこう技術がいる」。んにとって、経営の効率化を図る上で欠かせないといいます。「使う機会が限られるので、農機の貸し出しは美濃口さ戸塚区小雀町の石井眞司さんは定年退職を機に就農。以来、JAによる農作業受委託を利用しています。農機を所有していなかった石井さんはこの制度の存在を知り、すぐに依頼したといいます。「新たに機械をそろえるには莫大な資金が必要だし、保管場所やメンテナンスのことも考えれば制度を利用するのがベスト」。4月中旬に依頼した作業は畑の耕起。営農ヘルパーの大沼誠彦さんが自前の大型トラクターを持ち込み、手慣れた操作で効率よく作業を進め、短時間できれいに仕上げました。その様子に石井さんは「熟練した営農ヘルパーだからこそできること。時間の節約にもなり、その分、他の仕事が進む」と納得の表情を見せていました。一方、営農ヘルパーの大沼さんは、約2・4㌶で自らの露地野菜栽培にあたりながら、JAを通じて受託した耕うんや草刈りなどの作業に取り組んでいます。出向く先の委託農家は高齢者も多く、「自分で畑を起こすのは大変。耕起さえしてくれ耕起作業を終えた畑を確認する石井さん㊧と大沼さん農作業受委託農業機械の貸し出し農作業受委託や機械の貸し出しで組合員の農業経営をサポート40035030025020015010050600500400300200100受委託件数399201150令和2年度 農作業受委託は、施策がスタートした直後の平成24年度の利用はわずか6件でしたが、その後は周知の効果もあって大きく増え続けました。担い手の高齢化が進み、ヘルパーによる作業支援なしには営農の維持が困難になっていることの現れでもあります。農作業受委託は、いまや組合員の営農の継続に欠かすことのできない施策となっています。 利用の内訳では、水田作業の比率の大きさが目を引きます。「その他」には、乾燥やもみすりといったライスセンター(田奈)での作業も含まれています。農作業受委託は、横浜の米作りにとって重要な下支えになっています。 JAでは、小型の農業機械を1日から最長2日間貸し出しています。管理機、ハンマーナイフモアなど、その数は19種類。市内3カ所のJAの施設で、9時から16時30分まで引き渡しを行います。受委託軒数212令和6年度貸出件数貸出軒数550422237205令和2年度令和6年度借り入れた管理機をトラックに積み込む美濃口さん㊨受委託件数・軒数の伸び作業利用の内訳(令和6年度)その他:100件畑作業:145件水田作業:154件貸出件数・軒数の伸び高齢化等を背景に受委託件数が大きく進展用途に合わせ19種類の機械を用意

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