横浜の農業は、消費地に隣接する都市農業ならではの利点を生かして、野菜・果樹・花き・植木・そして畜産と、多種多様、彩り豊かに営まれています。しかし、担い手の高齢化や後継者難等に伴う労働力不足は深刻で、不耕作農地も年々拡大しています。こうした課題に向き合い、農地を守り、組合員の営農を守るため、JAは平成23年から「アグリサポート事業」に取り組んできました。今年は事業のスタートから15年目。その足跡と成果を見つめます。アグリサポート事業は、担い手の高齢化などにより営農を続けることが困難な組合員に対し、自立して営農を維持継続できるよう支援するJA横浜独自の制度です。支援策の柱の一つが、農業労働力の補完対策として取り組んできた「農作業受委託」と「援農ボランティア」です。組合員同士の助け合いを基本とした営農支援の仕組みで、農地の未利用化、遊休化の未然防止を図ります。農作業受委託では、農業機械所有者や機械オペレーターの有資格者を営農ヘルパーとして登録。農機を持たない組合員をはじめ、高齢化や人手不足等で農作業に支障をきたすようになった組合員からの要請をJAが受け、営農ヘルパーに再委託して耕うん等を行います。援農ボランティアは、准組合員から有志を募り、人手不足を補う人材として依頼農家に派遣。草取りなどの補完的な作業に無償であたっています。ボランティアの登録数は令和7年3月末時点で64人を数えます。またJAは、組合員とその家族を対象に農業機械の貸し出しを行っています。耕うん・草刈り・マルチ張りなど、必要なときに必要な機械が利用できる体制を整え、営農をバックアップしています。一方、耕作不能が余儀なくされる農地に対しては、貸借・売買などにより、健全な農地の維持・管理に努めてきました。JAは、「農地を貸したい・売りたい」「農地を借りたい・買いたい」「人手がほしい」「市民農園を開設したい」等の相談を受け付けています。相談窓口は支店や営農インストラクターを1次受付けとし、相談・情報カードで情報を一元化。行政とも情報共有します。相談内容は、営農部営農支援課と関連部署から構成される審査会で報告します。 特集特集15年目迎えたJAのアグリサポート事業
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