JA横浜_Agri横浜Vol.255
6/12

ければいけないという思いはあったが、自分が農業に携わることは考えていなかった」と話す平本聖美さん。野菜農家である両親の仕事は間近で見ていたものの、直接関わることはほとんどなかったという。そんな中、農業を継ぐことを前提に正治さんが婿入り。これを機に父・輝雄さんが果樹栽培を始め、野菜作りは2人に任された。一本の農業経営に取り組んでいた。しかし、時代の流れとともに市場出荷だけでの経営は厳しさを増し、正治さんは他の品目の作付けや新たな販路の開拓を模索。加工業者との直接取引で刺身の「つま」に使われるダイコンの栽培を始めたが、価格が大きく落ち込むなど頭を悩ませる日々が続いた。その後もブロッコリーやトウモ「平本家の長女として家を守らな平本家は元々、キャベツの市場出荷ロコシなど、品目を増やして安定経営を目指し、試行錯誤を繰り返した。 転機となったのは、平成24年のJA「ハマッ子」直売所メルカートかながわ店のオープン。直売所での販売は経験がなく不安を感じていたが、JA職員の後押しもあり出荷を開始すると、新たに他の農家や消費者との交流が生まれた。聖美さんは、「自分たちの野菜が売れる様子を直接見られるのは、今までにない喜びだった。農業のやりがいや楽しさを実感できたのは、この時が初めて」と振り返る。しばらくは市場出荷と両立しながら作付けの見直しを進め、6年ほど前からほぼ全量を直売所に出荷するようになった。現在は、年間で約30品目どを手掛ける。中でもトウモロコシは浜農家ヒラモトの目玉商品。7〜8品・80品種ほ市場から直売所出荷へ積極的な販売促進れ、農業が盛んに営まれる神奈川区羽沢町。第三京浜道路を望む山間に「浜農家ヒラモト」がある。野菜・果樹の栽培を手掛け、JA「ハマッ子」直売所や地元スーパー、学校給食などに出荷。消費者との交流を大切にし、新たな挑戦を続けながら地元農産物のおいしさを広く伝えている。かながわブランドに登録される「横浜キャベツ」の主要産地として知らまさ み濱農浪漫神奈川区羽沢町浜農家ヒラモト平本正治さん(62)・聖美さん(51)・春香さん(25)直売所出荷が転機に農業の「楽しさ」見出す

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る