JA横浜_Agri横浜Vol.255
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減に取り組む中で、生分解性マルチの導入を決めたそうです。 4月半ばに訪ねた圃場では、ひと月前に種をまいたというトウモロコシがビニールトンネルの中で10㌢ほどに伸び、に覆われて小さな芽が顔を出していました。「生分解性マルチはポリマルチと比べて保温・保湿性にやや劣るように思いますが、不織布を1枚掛けることで補える。せっかく環境に配慮して開発された資材なのだから、欠点は補い、良い点を引き出してやりたい」 生分解性マルチの導入に伴うメリットについては、加藤さんも一番に「体が楽になったこと」と話します。圃場の見学に来て「俺も使ってみようか」と新たに導入を決めた農家仲間も多いそうです。 生分解性マルチの課題は「まず価格、そして保温・保湿性、それから展張時に切れやすいこと」と指摘する加藤さん。それでも「ユーザーの裾野が広がれば、製造コストが抑えられて品質も向上し、良いものが安く手に入るようになる。この好循環で一層の普及が実現するはず」と期待を寄せます。 「環境に配慮した農業資材の存在を農家だけでなく、都市農業の特性を生かして身近な消費者にも強くアピールしたい。それで横浜農業への新たな評価へとつながってくれたらうれしいですね」加藤竜平さん 都筑区折本町ユーザーを訪ねて② スーパーとの契約栽培を中心に、地域の主力品目である小松菜をはじめ約20種類の野菜を生産する加藤竜平さん。加藤さんもまた、トウモロコシ栽培に生分解性マルチを活用しています。 取り入れて8年ほど。父・之弘さんが「環境保全型農業推進者」として横浜市から認定を受け、化学肥料や農薬の使用を減らしたり、資源の再利用・省エネルギーに努めたりして環境への負荷軽環境への負荷軽減に     「今できること」見据え導入 ※2)値引き幅はその年の経済情勢等により変動します価格の高さから、普及に伸び悩みがみられる生分解性マルチ。マルチフィルム単体の価格だけを比較するとポリマルチの3〜4倍程度の開きがあり、敬遠されてしまう傾向があります。それでも生分解性マルチの利用により、収穫後の作業労力や時間、廃棄物処理にかかる手間や費用が大幅に削減されます。これらを含めたトータルコストを考えれば、生分解性マルチは必ずしも高いものではありません。JAは毎年9月から10月にかけ、生分解性マルチの特別価格での予約とりまとめを行っています。組合員限定の特別予約では、令和5年度は横浜農業強化対策積立金の活用により店頭価格(※1)に対し35〜41%の値引き(※2)を実施しました。※1)例えば95㎝幅×200m有孔で、通常の店頭価格は9040円(令和6年4月現在)㊤発芽の様子を確認する加藤さん。不織布でマルチを覆うことにより保温性や保湿性の弱点を補う㊨播種から1カ月。トウモロコシは順調に育っている10日前に播種をした隣の畝では不織布トータルコストなら高くはない!特別価格での供給も実施

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