JA横浜_Agri横浜Vol.255
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じょうはほ しゅ本をJAに予約注文しました。「生分解性マルチは、今ではトウモロコシ栽培には欠かせない存在」と小間さんは話します。ポリマルチを利用していた頃、トウモロコシ収穫後の剥ぎ取り作業は大変な重労働でした。根が絡みついていたり土が堅くなっていたりして、思うようにマルチが剥がれない。しかも梅雨明け前後の酷暑の下での作業です。「とても体力が続きませんでした」生分解性マルチの導入後はハンマーナイフで茎葉を粉砕し、あとはマルチごとトラクターですき込むだけ。大幅な負担軽減と作業の効率化が実現しました。収穫後の処理にかかる作業時間が短縮したことで、キャベツやブロッコリーなど後作の準備にも1週間以上早く着手できるようになり、作業負担が軽減した分トウモロコシの作付けもそれまでの10㌃から25㌃に拡大できたと話します。小間園芸が手掛ける年間約40品目の野菜の中でも、トウモロコシは主力品目の一つ。自宅庭先の直売では午前中で完売するほどの人気です。生分解性マルチの導入によって目玉商品の生産拡大が図れたことは経営上も大きなメリットです。小間さんが生分解性マルチを初めて手にしたのは、JAの営農インストラクターに勧められたことがきっかけ。「この時は値段の高さに驚いたが、単価の高いトウモロコシなら価格転嫁も可能だし、何より重労働からの解放は大きい。わずかでも環境負荷の抑制に貢献できるし、導入してよかったと思います」土にすき込むことによって完全分解され、消滅する生分解性マルチ。「土から引き剥がす」「泥を落とす」「集積場に運ぶ」といった重労働から解放されることから、事例で紹介したトウモロコシをはじめ、キャベツ、ハクサイ、サツマイモ、ラッカセイ、エダマメ、ブロッコリーなど多くの作目で活用されています。一方でフィルムの製造直後から、空生分解性マルチの効果や課題などについて、営農インストラクター㊨と情報交換気中の水分による「加水分解」が始まり、光に当たったり熱を受けたりすることで分解はさらに進み、亀裂が生じるようになります。このため長期保管に適さない他、生育期間の長い作目では生育期の途中でフィルムが劣化してしまうことがあります。また風などで飛散した場合は分解しないため、使い終えた後はしっかり2回以上土にすき込むことが求められます。小間一貴さん 泉区上飯田町ユーザーを訪ねて①ウィーン、ガガガガァ…4月中旬、畑と住宅が混在するのどかな郊外の風景に、マルチシートを敷く機械音が響いていました。ここは、小間一貴さんが父・肇さんとともに営む小間園芸のトウモロコシ圃場。3月初旬から段階的に進めてきた播種作業も大詰めを迎えました。小間園芸では、トウモロコシ圃場に生分解性マルチを導入して5年。今シーズンもサンテーラ社製の『きえ太郎Z』9作業効率が大幅にアップ     規模拡大にもつながったトウモロコシ圃場に生分解性マルチを敷く小間肇さん㊧・一貴さん親子樹と一緒に生分解性マルチをすき込む様子1回の耕うんではマルチ片が残っていますが㊧、2回耕うんすることで完全に土にすき込まれます㊨特性を知り、上手に使いこなそう

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