JA横浜_Agri横浜Vol.255
3/12

 近年、農業生産の場で「生分解性マルチ」の利用が広がっています。使った後は土にすき込むだけで微生物の働きによって完全に分解され、土中に残留することがありません。作業効率が格段にアップすることに加え、使用済みプラスチックによる環境への負荷も抑えられ、従来のポリマルチに代わる〝地球にやさしい〟資材として注目されています。生分解性マルチは、畑の土壌にいる微生物による分解性、安全性が確認され生分解性プラ0た「」物の栽培が終わった後は畑にすき込むことで微生物によって水と二酸化炭素に分解されて消滅します。このため雑草の抑制や、地温の調節などポリエチレンを原料とする従来のポリマルチ同様の機能を有しながら、ポリマルチとは異なり、栽培の途中や収穫後に行う剥ぎ取り作業や廃棄物としての処理が不要となります。こうしたことから、農業人口の減少や農業経営の集約化が進み、環境面では海洋プラスチックごみの問題などが深刻化する中、持続可能な農業に資する資材として世界的に関心が高まっています。を主原料とし、農作生分解性マルチは平成7年(1995年)に国内第1号の製品が誕生しました。その後、各社からさまざまな製品が発売されるようになりました。しかし農業現場での利用は毎年増加しているものの市場の広がりは限定的。従来の資材との大きな価格差がネックとなり、令和4年(2022年)の出荷量は使用される樹脂量で3618㌧。ポリマルチに使われていると推定される年間樹脂量3万5000㌧の約10㌫に留まっています。(※)マルチ単体では価格が高額であるなどの理由からなかなか導入が進まない生分解性マルチですが、農作業の省力化のメリットは大きく、一度手にした生産者の多くが継続的に利用しています。生分解性マルチを    知っていますか?ラク になって、 エコ にも一役※農業用生分解資材普及会の調べによる4000350030002500200015001000500平成18年(2006)平成22年(2010)樹脂量(トン)平成27年(2015)令和4年(2022)生分解性マルチの樹脂出荷量1600115036182286特集特集

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る