JA横浜_AgriVol.243
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土や緑とふれあう暮らし緑の情報箱筒状花技術顧問 福井 英治舌状花ヒマワリは6月から8月まで流通量が多くなる夏を代表する花です。毎年この時期になると全国各地のヒマワリ畑にたくさんの観光客が訪れます。また、父の日の定番品種にもなっています。今月18日は父の日です。ヒマワリ(学名 : Helianthus annuus、英名 : Sunflow-er)はキク科で最も大きな花とされています。学名のヘリアンサスや英名のサンフラワーは「太陽の花」の意味。太陽とは切っても切れない縁がある花です。ヒマワリは絵画、映画、物語にもよく扱われます。また、ヒマワリを国花としている国は、今も紛争中のロシアとウクライナです。ヒマワリは写真の通り、たくさんの花弁があるように見えますが、花弁の一つ一つが花で外側のものを舌状花(ぜつじょうか)、内側のものを筒状花(とうじょうか)と呼んでいます。舌状花は主に昆虫を誘い込む役目、筒状花は受粉して実を作る役目という具合で分業化されています。ヒマワリの種子(実)といえば、ハムスターやリスが食べる■のイメージがあります。ヒマワリの種子には普段見て楽しむ観賞用だけでなく、食品用(ローストしてカリッとさせてから食べる)や油糧用(油をとる)の3種類があります。プロ野球アメリカ大リーグの選手がベンチの中でよく口をモグモグしては外に吐き出していますが、あれがローストされた食べるヒマワリです。種子は栄養がとても豊富で、油も含まれています。植物などの生き物の「資源としての量」のことをバイオマスと呼んでいます。ヒマワリの油も実に含まれるのでバイオマスになります。ヒマワリ油は廃油を捨てずに回収してリサイクルし、自動車の一部でバイオディーゼル燃料として使われています。植物は太陽の光に当たることで光合成し、空気中の二酸化炭素を吸収しています。このため、バイオディーゼル燃料を燃やしても元々空気中にあった二酸化炭素を戻していることになるので、地球温暖化の原因の一つとされている二酸化炭素を増加させることはありません。ヒマワリの豆知識ヒマワリの花ヒマワリのタネ環境に優しいヒマワリ景観を楽しむヒマワリは背が高く観賞用として優れているため、あちこちで子どもに合わせた背丈で迷路や景観用として植えられており、地域イベントの目玉として活躍しています。また、畑に直接すき込んで緑肥として土壌の物理性の改善や有用な微生物を増やすなど、用途はとても多彩です。太陽の花〝ヒマワリ″

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