Agri横浜 vol.219
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き 土ど志し田だ秋あ夫おさん(39) 港北区鳥山町仲間からの刺激で成長失敗を糧に徹底管理じょ土志田さんが花の生産に携わるようになったのは20歳の頃。パティシエとして働いていたが、退職を機に家業を手伝うようになった。しかし、父・照夫さんが体調を崩したことで4年ほど前から本格的に栽培を担うことに。「手伝いをしていた頃は、父から言われたことをこなすだけ。細かな部分はよく分かっていなかった」。技術面を父に聞けない状況の中、どのように勉強すべきか模索。JA花卉部長を務めたこともある父と入れ替わりで、入部を決めた。「部員になったことで、ベテランの花農家と密につながることができた」と話す。週1回のペースで先輩農家を訪れ、栽培のノウハウを学んだ。圃ほう場巡回にも積極的に参加し、周囲との生育状況の違いを確認するなど、情報収集にも励んできた。入部で心境も変化した。以前は、出来の良し悪しよりも、作って売ることを優先していたが、「より良い花を消費者に届けたい」と考えるようになったという。現在、土志田さんはガラス温室5棟とビニールハウス4棟を管理。ニチニチソウとシクラメンを主力に、年間約10品目の花苗の他に野菜苗も生産する。主に自社の園芸店で販売し、複数の市場へも出荷している。ニチニチソウの栽培では、水やりに注意を払う。「水の与えすぎは徒長の原因になる。水を減らすと大輪になりづらいが、締まりの良い苗になるため、雨の日以外は毎朝、1日で土の表面が乾く程度に抑えている」と話す。例年、4月中旬から5月までで3回に分けて出荷していたが、「うちの店で花苗が品薄になる時期を見越し、長期販売できるようにしよう」と考え、今年は4回目に挑戦。7月までに約2万ポットの出荷を予定する。冬場の主力となるシクラメンは、野菜苗の販売に向け手入れを進めるJR新横浜駅から車で10分ほどの港北区鳥山町にある土志田園芸店。三男の秋夫さんはJA横浜花かき卉部港北支部に所属し、周辺農家から技術を学びながら花の生産に力を注ぐ。店では、母と2人の兄が販売などを担当。家族で力を合わせ、地元消費者らに質の高い花を届けている。家族で花生産から販売まで先輩農家の下で技術研鑽

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