JA横浜_Agri横浜Vol.278
17/24

【図1】 理想的な土壌三相土や緑とふれあう暮らし17技術顧問 原 康明気相30%固相40%液相30%【図2】 団粒構造腐植固相液相気相思いのほか寒かった冬も終わり、5月の夜8時ごろには、おとめ座が南東の空にかかり、1等星のスピカが白く輝いています。おとめ座はギリシャ神話の農業の女神ともいわれ、右手に麦の穂を持っています。今回は植物の栽培に重要な土づくりのお話です。おとめ座、M104銀河その形から「ソンブレロ銀河」とも呼ばれています。光度:8.9等地球からの距離:約3000万光年大きさは天の川銀河の約30%(金沢区で撮影)と、作物の根がしっかりと伸長し、施用した肥料や水分が適時に作物に吸収されるための土づくりが重要です。(1)土壌三相土 壌 は 固 相( 鉱 物等)、液相(水分)、気相(空気)の三相から成り立っています。その理想的な比率は固相率40%、液相率30%、気相率30%とされています(図1)。(2)腐植の役割堆肥、有機質肥料、緑肥等が土壌に投入されると微生物に分解され、土壌中の鉱物と結合しフルボ酸、フミン酸、ヒューミンという腐植物質となります。腐植物質は、固相である土壌粒子を団子状に包み込み、団粒構造を作り出します。団粒構造は、固相、液相、気相を適度に保持し、土壌が水分や肥料分を蓄え、適時に植物の根に吸収される環境を維持します(図2、図3)。近年、地球温暖化の進展に伴い、猛暑による発芽不良や定植後の生育不良が問題となっています。従来は暑さに強く、地力の低い土壌でも栽培が可能とされていたサツマイモでさえ、収量の低下や形状異常が発生しています。これらは、高温乾燥以外に堆肥の入手難をはじめ労力や経費上の問題から畑への有機物の施用量が減少し、土壌の緩衝能(水分や養分を蓄積し適時に放出する力)が低下している畑が増えていると考えられます。さらに、土壌を良好な状態に保つ役割をする「腐植(詳細は後述)」は、地温の上昇により分解が早くなるため、土壌に対するケアの必要性が高まっています。農耕文化は、西アジアでは約1万2000年前(紀元前1万年ごろ)に始まったとされています。日本では紀元前5世紀ごろ、縄文時代の途中から農耕文化が始まったようです。狩猟採集文化から農耕文化への移行は、人口の増加や文明の形成に大きな影響をもたらしましたが、現存する砂漠の一部は森林伐採による開墾や過剰な耕作の結果と考えられています。極論ですが、生態系から切り離された「農地」は、ケアを怠ると「砂漠」になってしまうということです。野菜等を栽培し収穫するためには、作目(キャベツ等)の施肥基準(窒素、リン酸、カリ)に合わせた肥料の施用1.異常気象と土壌の関係2.歴史に学ぶ3.土づくりの基礎緑の情報箱土づくりの勘所

元のページ  ../index.html#17

このブックを見る