JA横浜_Agri横浜Vol.266
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オープンした大入農園の直売所「GREENGROCER」。街の景観になじむカフェのような店内には、石渡真歩さん、セバスティアンさんの姿が。売り場には農業歴が浅いとは感じさせない彩り豊かで多品種の野菜が並ぶ他、隣接する畑では栽培風景も見られるのが魅力の一つだ。この地域は長年海外で生活していた住民が多いため、接客中は2人の共通言語でもある英語やスペイン語での会話が弾むことも。「直売所も畑もこの地域唯一の場所。私たちだからできる空間にしていきたい」と話す。匠」を営む兼業農家。真歩さんは大工の父と一級建築士の母を持つ。祖父は大工を引退後に栽培収穫体験ファームの農園長となり、祖母と畑昨年11月、閑静な住宅街の中に石渡家は5代続く工務店「石渡番を耕作していた。自身は美術やクラシックバレエなど農業とかけ離れた道を進み、大学院では食を通じた運動能力について研究。将来は海外に住む夢も持っていた。や育児を手伝いながら異文化交流するオペアプログラムを活用して渡米。ここでの生活はホストファミリーからの不当な契約破棄による2度のホームレスを経験する壮絶なものだった。一方で、シカゴからニューヨークに出てエンジニアとして成功をつかんでいたセバスティアンさんとの出会いが未来を明るく照らした。結婚を視野に入れた交際を進め、将来を見据えて2年前の9月に帰国。2人は新たな道を切り開く決意をした。帰国当時、大入農園ではコロナ下で体験農園を閉園。祖父は農業から異国の地で運命の出会い周りのサポートに感謝2人。一昨年日本に戻り、石渡家が代々守り続ける青葉区あざみ野南にある畑を受け継いだ。経営する大入農園の信念は〝絶対に成功する〟。若き夫婦は祖父母や両親、JA職員らに支えられながら切磋琢磨して一人前の農業者を目指す。横浜から1万㌔㍍以上離れたアメリカ合衆国のニューヨークで出会ったせっさたくま 24歳の時、ホームステイ先で家事若き国際夫婦の新たな挑戦祖父母の畑引継ぎ農の道へ青葉区あざみ野南石渡 真歩さん(27)セバスティアンさん(28)濱農浪漫

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