JA横浜_Agri横浜Vol.266
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はしゅ--G          また、生産者のさらなる所得増大を見据え、職員向けの研修会を実施。JAP指導員の資格取得やGLOBALGAPの講習を受講し、GAPについて説明ができる人材を育成しています。生産時の対策JAが取り組む安全対策万一の証明にも栽培記録を管理する農産物の安全性を証明するため、出荷者に対し「生産履歴」の記帳の徹底と提出を呼びかけています。生産履歴とは、作物の生産過程を詳細に記録した文書やシステムのことを指します。記入項目には、作物名や作業日、作業手順、使用した資材名・数量などがあります。特に農薬を使用した際は記録を義務付けています。詳細な記録は、農産物の販売時に問題が発生した場合の原因特定にも有効です。平成31年1月には、生産履歴の記入や提出がスマートフォンでできるシステムを導入しました。農薬診断結果が確認できる機能も搭載。農薬散布をする際に、種類や量を入力すると基準値を超えていないか、使用回数は正しいかなどの情報がリアルタイムで確認でき、残留農薬事故の未然防止にもつながります。研修会で正しい防除を周知「ハマッ子」直売所の出荷者や従業員を対象に「農産物防除研修会」を開いています。安全・安心な農産物の生産と販売に向け、出荷者の防除技術を高め適正な農薬使用への意識醸成を図ります。令和6年度は、3月3日から26日にかけて9会場で開催しました。店で開いた研修会には48人が出席。小原修販売部長と市川あおい営農インストラクターが講師を務め、「出荷・販売」と「生産管理」について説明しました。小原部長は、農薬基準値超過時の影響を解説。「食品衛生法の違反により、出荷者本人だけでなく、他の出荷者やJA、市内産農産物のイメージにも大きな影響がある」と注意を促しました。市川インストラクターは、農薬事故例を参考に農薬・機材の正しい使い方を説明。散布方法の勘違いや機材の洗浄不足など思わぬ事故を防ぐため、使用基準を守ることや生産履歴の記録を習慣化するなど管理の徹底を周知しました。ここでは安全・安心な農産物が消費者に届くまで、生産、出荷、販売において、JAがどのような取り組みをしているのか紹介します。巡回指導で出荷者の安全意識を醸成JAは生産現場での安全対策として、農業生産工程管理(GAP)の手法を活用した実地支援を実施しています。営農インストラクターが生産現場を定期訪問し、農薬の適正な使用・記録、保管管理、衛生管理状況などを確認。安全な作業環境づくりに向け、生産者との情報共有を徹底し、各農場に合わせたアドバイスをしています。年に1度、神奈川県農業技術センターの職員による同行巡回も行っています。3月26日に神奈川区内で行った巡回では農薬の在庫や使用期限、「毒物」「劇物」等の分類に合わせて正しく管理できているかなどを確認しました。この他、畑の状態や作付け品目、播種時期に合わせた効果的な土壌消毒剤を提案。わずかな工夫が作業効率の向上につながることを説明しました。10日に青葉区下谷本町のJA中里支GAP(ギャップ)とは営農インストラクター㊧が農薬の使用状況を確認し、安全な作業環境づくりをサポートGAP指導時には、生産履歴記帳の記入状況の確認も実施 GAPとは、「Good Agricultural Practices」の略称で、農業の生産過程において、安全で持続可能な農産物を生産するための一連の基準や手法をいいます。 GAPの実践は、5つの柱(食品安全、環境保全、労働安全、人権保護、農場経営管理)で定めた基準を活用して農業におけるリスクを低減。持続可能な農業の実現につながります。研修会には多くの出荷者が参加

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